ひとみ先輩による介入
「生徒間の問題でしたので先生方には報告していませんが、確かにこの2人はケンカがありました。お互いに手を出すほどの。それについては寮の寮監と相談して、互いにペナルティを課しました」
「こちらの菊池という生徒については何か聞いていますか?」
「特になにもなかったかと思います」
「この人と私、付き合ってるらしいですよ」
「そうだったの?でも高田さんは寮監さんのお手伝いをよくしてるから、交際できるような時間なかったと思うのだけれど」
「はい。私もこの人は先日、手首を掴まれるまで、全く知りませんでした」
「お手伝いが出来なかったあの期間かしら?そう、彼がケガさせたの」
私とひとみ先輩からの視線を受けて菊池くんが後ずさる。そして視線は奥野くんへ。
奥野くんはぼんやりと虚空を見つめているようで、視線に気付いていないようだ。それともあえて無視しているのか。
「先生方、私としては彼と高田さんが交際関係にあるとは知りませんし、信じることができません」
ひとみ先輩が結論を告げると先生たちの視線も菊池くんへと向いた。この場のほぼ全員から視線を向けられるとは思わなかったのだろう。菊池くんが呟くように語り始めた。
「・・・・高田さんのことが気になって、奥野、くんに相談したらこの方法がいいって、言われました。ケガをさせるつもりは本当にありませんでした。ごめんなさい」
「・・・・高田さんが1人でいるので、それを解決しようと思いました。その時に菊池くんの相談を聞いて、2人が付き合えばその心配もなくなると思いました」
「私には友だちはいるし、こうやって時間を作って来てくれる先輩もいるわ。なぜ、私が1人なの?」
「今、ここで、話してもいいのかい?」
「結構よ。どこまでいっても平行線もいいところ。時間の無駄だわ」




