先輩男子とのお話2
「俺の意思・・・・・・」
どこからどこまで。始めから、終わりまでではないのだろうか。
「聞いてる分には、お前は誰かに言われたからそう動いてるっていうだけだよな。それはお前自身の意思とは言えないんじゃないか?」
「でも、確かに俺はさちのことを考えて、友だちと上手くいけばいいって思って」
「本当か?」
これまでで最も強く真剣な声音で聞かれた。
「え?」
俺はとっさに答えられなかった。
「本当に、お前は友だちと高田ちゃんが上手くいけばいいって思ったか?」
それは、どういうこと・・・・?
「奥野、お前高田ちゃんのこと好きだろ。見てれば分かるぞ」
いや、俺は璃子が好きだった。そして今は彼女がいる。
「高田ちゃんが好きだから、なんとか構いたい。友だちをけしかけて、高田ちゃんがそれを断るのを見てほんの少しでも、ほっとしなかったか?」
ちがう。そんなこと思ってない。
「おれ、は・・・・・?」
あの時、なにを思った?
「高田ちゃんのこと考えて、これからのこと考えるならさ、とりあえず寮監の言う通り時間空けとけ。少なくとも今すぐ、高田ちゃんにどうこうしても悪化するだけだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい」
おれは?
「じゃあ、とりあえず一旦解散だ。ほれ、部屋もどれー」
「寮監にはどうする?」
「このまま2人で報告しとくか。奥野は部屋に行っていいぞ」
「ありがとう、ございます」
そうしてのろのろと自分の部屋に帰ってきた。部屋の電気をつけて、ベッドに倒れ込む。
「俺が、さちのことを、すき?」
もちろん好きか嫌いかならば好きだ。幼馴染でもあるし、これまでの付き合いからも決して嫌な人物じゃないことを知ってる。
だが、それは恋愛ではない。俺が好きだったのはさちのそばにいた璃子だったし、今は全く別の女の子と付き合っている。
俺はぼんやりと天井の明かりを見つめた。




