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私の前で命を馬鹿にするな  作者: 黄野ポピー
2章

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160/201

処置

こんこん、と保健室のドアをノックする。グラウンドに面しているためか、若干ほこりっぽい。


「高田さん、外から来るなんて珍しいね。帰り際になんかあった?」


「少しトラブルがありまして」

と、手形の残った手首を見せる。


「ふむ・・・・中に入って、イスに座って」


棚から包帯やら湿布やらを出すのが見えた。


「そんなに大げさじゃないですよ。ちょっと、手首を掴まれたくらいで」


「もう青黒く変色してきてるよ。痛みがないかどうかだけでも確認はするよ。これらは念のため」

冷蔵庫から保冷剤を出す姿も見て観念した。


「手首は動く?」


「少し痛いですが、動きはします」


「ふむ・・・・少し冷やしておいて」

とタオルで包んだ保冷剤を渡された。


ケガの報告書だろうか、書類を出しながら先生がこちらを向いた。

「それ、どんな風にしてそうなったの?」


「えっと、男子生徒に捕まれまして」


「だろうね。その男子生徒の名前はわかる?」


「クラスは分かりませんが、菊池、と言ってました」


「手首動くならそこまで心配はいらないかもしれないけど、念のため固定もします。2,3日経ってもまだ痛みが抜けなかったら病院に行くこと。たぶん、捻挫してる」


「そんな、大げさな」


「最悪を考えないといけないんだよ。甘く見るのは厳禁。足は問題ないよね?歩いて1人で帰れる?」


「えっと、買い物をしたいんですけど」


「手首に負担を掛けないなら許可しましょう」


「・・・・がんばります」


痛めたのが左手でよかった。利き手だったら色々苦労しそうだし。


右手でカバンからスマホ出して、叔母に一応連絡を入れておく。


『左手ケガしちゃって、ごはん作るの手伝えない。ごめんなさい』


『お手伝いは大丈夫よ。ケガはどう?』


『保健室の先生が言うには捻挫かもって』


『帰ってきたら色々聞くわね。お買い物も今から私が行ってくるから、そのまま帰ってきなさい。何が食べたい?』


『洋食にしようと思ってたんだけど』


『洋食ね。おっけー。気をつけてね』


おばにも迷惑をかけてしまった。

「はい、連絡つきました。買い物はせず真っすぐ帰ります」


「よろしい。はい、手首固定するよ」

手首にはくっきりとアザが出来てしまった。そのうえに湿布を貼って、しっかりと包帯を巻かれてしまった。

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