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私の前で命を馬鹿にするな  作者: 黄野ポピー
2章

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手首の痛み

「待って!」

横を通り過ぎようとしたところで手首を掴まれた。少し痛い。


「スマホ、教えてくれてもいいじゃん。なんでダメなの?」


「さっきも言った通り、見ず知らずの人に教えるつもりはありません」


「だから、お互いのことを知り合うためにも連絡先交換しようよ」

イライラとしてきたのか、手首を掴む手に力がこもる。


「さち、それくらいいいじゃないか。彼の気持ちを分かってくれないか?」


「あなたたち、こそ。私の気持ちは分かってくれないのね」


防犯ブザーをならしてやらうか、と掴まれてるのと反対の手をかばんに触れた時、


「おい!なにしてる!」


生活指導らしき先生がこちらに気付いてやってきた。一瞬力が弱まったのを見計らい、ブザーのスイッチを押した。


ぴー!ぴー!ぴー!と電子音が鳴り響いた。


「ちぃっ!」

と、私の腕を掴んでいた男子生徒は走っていった。


私と奥野くんだけがその場に取り残され、生活指導の先生が話を聞くことになった。


「高田さんと話をしていました。逃げてしまった彼が高田さんのことを紹介してほしいと言ってまして」


「私は連絡先を教える気はない、と伝えたところ腕を掴まれました。そこにいる奥野くんは、私と逃げた菊池くんが付き合えばいいと思っていたようですが」


手首を見せるとしっかりと手形が残っていた。


「高田さんは保健室で手首の処置を受けてから帰りなさい。奥野くんはもう少し事情を聞かせてもらう」


「・・・・・わかりました」


奥野くんは職員室か生活指導室にでも行ってしっかりと話を聞かれるだろう。私は手首に鈍い痛みもあったので、保健室へ向かうことにした。外から回ってもいいだろう、とグラウンドに面した出入り口へと足を向けた。

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