それそれの手当
「はい、冷たいよー」
と、保冷剤とタオルをほっぺに当てられる。
「それと右肩も痛めてるでしょ?腕が上がってないよ。左手でおさえられる?」
「はい、大丈夫です」
と、もうひとつ保冷剤とタオルを出して渡された。
肩はあいつに掴まれた時に痛めた。多分手形が残ってると思う。
「まったく、女の子にこんなケガさせるなんて」
「私もあいつのこと引っぱたきましたから」
「それは肩掴まれたときでしょ?まだ叩かれた分残ってるよ」
意外と過激だよなぁ、ひとみ先輩。
「それよりもお騒がせしました」
「いーのいーの、去年の末頃は私も男子に向かって色々騒いでたし」
「・・・・・・・・・・あいつが、私の知らない誰かと付き合ってるんです」
「そうなんだ」
「りこのこと、友だちのことを忘れるためって」
「女の子を道具扱いしてるみたいで私も嫌だね」
「私もりこのこと忘れられるようにって誰かを紹介するって言われて」
「いらないお世話だね」
「なんだが、疲れちゃいました」
「うん、それは疲れるよ。今日はゆっくり休んでね」
「はい、濡らしたタオル。ほっぺおさえてね」
「はい、ありがとうごさいます」
お茶を淹れつつ聞いてみる。
「さちちゃんに何言ったの?あの子が手を出すなんて相当だと思うんだけれど」
「クラスでさちのこと気になってるやつがいるから、紹介したいって言いました」
「その子のこと、さちちゃんは知ってるの?」
「多分知らないと思います」
「さちちゃんと、さちちゃんが知らない人とくっつけようとしたのね?」
「そうですね」
「それはさちちゃんも怒って当然じゃない。見ず知らずの人紹介されても困るだけよ」
「でも、璃子のこと忘れるならこの方がいいと思ったんです」
「なんでりこちゃんのこと忘れるの?」
「りこのことを考え続けたら、りこを縛ることになるじゃないですか。俺たちはもう、りこのことは忘れて前へ進まないといけないんです」
「それは、人それぞれでいいんじゃないかしら?さちちゃん、りこちゃんのことで苦しんだけど、それでも十分に前を向いてると思うわよ?これ以上はさちちゃんのペースと合わないんじゃないかしら」




