決裂
気の抜けた返事をしてしまった。こいつは、りこを忘れると言ったのか。なぜ?
「新しい彼女さんがいるのは知ってるわ。本人からも話があったから。それと璃子を忘れることがどう繋がるのかしら」
「璃子のことをずっと考え続けたら、璃子をいつまでも縛ってしまう気がするんだ。だから、忘れて、俺は新しい別の人と幸せになる」
「それを私にわざわざ言ってきたのは、どういうことかしら」
「さちも、誰かと付き合って璃子を忘れたほうがいいんじゃないかと、思って。クラスにさちのこと気になってるって言ってる友だちもいるから」
・・・・・・・・・・・意味がわからない。
つまり、だ。
璃子のことを忘れるために誰かと付き合い、私にも璃子を忘れるために私が全く知らない男とくっつけようと、しているのか?
なぜ璃子のことを忘れなければならない?
縛っている云々はお前の言い分だろう。
なぜ誰かと付き合うことになる?
そんなのお前の勝手だろう。
なぜ、私が見ず知らずの男と付き合わねばならない?
幸せを押し付けているつもりか。
「・・・・・あなたの言い分はわかったわ」
「じゃあ、さちのこと紹介しておくね」
「いらないわ」
「え?」
そうだ、いらない。
いらない。
いらない。
いらない。
こんなやつ、視界に入れるのも鬱陶しい。
「私は璃子のことを忘れないし、見ず知らずの誰かと一緒にいる気はないの。あなたのこともこれからは視界に入れないようにするわ」
「さち・・・・・?」
「さようなら」




