渾身の肉じゃが
放課後、すみれと一緒にスーパーにやってきた。
「今回は買う量が増えるからありがたいけど、無理はしないでね」
「あら、私って実は力持ちなんだよ」
カートにかごを乗せて、あーだこーだと言いながら買うものを見ていく。とりあえずは肉じゃがの材料となるニンジン、玉ねぎ、じゃがいも、豚肉は多めにカゴに入れておく。しらたきも入れたらかさ増しになるか。豆腐も入れてしまおう。
「晩ごはん、肉じゃが?」
「そうよ」
「やった!さちちゃんの肉じゃが大好き」
卵や他の野菜、肉類も少し多めに買うとカゴはかなりいっぱになった。今回調味料やお米はないから、比較的軽いのが救いだが。
さくさくと会計にすすみ、レシートをしっかり保管すると、袋詰め作業に入った。パンや卵など、潰れて困るものは別の袋や袋の上方にするので後回しにし、野菜や缶詰など重い硬いものから入れていく。
そうして術量も考えて2つの袋に分けられたそれをすみれと1つずつ持って寮に帰った。
「ただいま」
「ただいまですー」
「あら、おかえりなさい2人とも」
おばにレシートを渡すとすみれは先に部屋に戻るよう伝える。私はお金の精算をした。
「はい、ありがとう。さちちゃんも着替えてらっしゃい」
「うん、でもその前に干し椎茸を水で戻しとくね」
「それくらい私がやっておくからいいわよ」
というわけで私も私服に着替えて、改めて寮監室のキッチンに立った。
干し椎茸はスライスタイプを使ってるので、そんなに時間はかからない。なので、他の野菜から下ごしらえをしていく。
ニンジンは乱切り、新玉ネギは厚めの半月切り、新じゃがは一口大くらいに揃える。しらたきは井の字に切って、豆腐も井の字でいい。
鍋にごま油をひいてニンジン、じゃがいも、玉ネギを炒める。その横ではしらたきを茹でるためのお湯を沸かしておく。玉ねぎが透き通ってきたら、干し椎茸の戻し汁ごと入れる。しらたきも軽く茹でて灰汁が出たらザルでしらたきを取り出し、鍋に加える。
鍋全体がくつくつしてきたら豚肉を入れる。固まりだとそのまま固まってしまうので、一枚ずつはがしてすき間にむぎゅっと詰める。広げる必要はない。灰汁を取って、豚肉の色が変わってきたら調味料を加える。加えるのは、酒、しょうゆ、みりん、砂糖、すき焼きのタレ。気持ち甘めになる。最後に豆腐を入れて、キッチンペーパーを上から被せて、煮込んでいく。
キッチンペーパーを取り出す時に灰汁が取れるので、落とし蓋代わりというか、なんというか。
ここにほうれん草のごま和えを加えれば、立派な夕食になるだろう。




