一方的な要求
「・・・・・えっと、はい」
「私、奥野くんと付き合ってるの。あなたが近づいてくると迷惑なのよ」
「あの・・・・・」
「だから、身を引いてちょうだい。わかったかしら?」
「そもそも、私は彼とは何もないですよ?」
「はぁ?この間、奥野くんがあなたのこと名前で呼んでたじゃない」
「中学が一緒だったんです。でも、正直私、彼になんの興味もないです」
「本当かしら?」
「あなたとあいつが、あの日あの教室で何をしていたとしても、なんの興味もないです。しいて言うなら、アイツが苦手なくらいですので」
「じゃあ、私が言ったように彼に近付かないくれるのね?」
「物理的に近付くことはあっても、私から彼に関心をもつことはあり得ませんので、安心してください」
「そう。それならよかったわ。よろしくお願いね」
そう言うと彼女は行ってしまった。なんともクセの強い人である。
だが、まぁいい。
私があいつに関わらない理由がまた1つ増えたのだ。
そんなことより今日の夕ごはんのほうが大事だ。すみれにも食べたい物を聞いて、スーパーで材料を買って置かなければ。
そうして教室に戻ると、やはりというか、すみれや蘭・明にも大丈夫だったのか心配された。ざっくりとあらましを伝えると、
「そんなことのためにわざわざ他クラスまで来たのか」
「すごい行動力ね」
「それだけ奥野くんのことが好きってことだよね?」
「でも、なんで同じ寮に住んでるすみれは何も言われなかったの?さちばっか変じゃん」
「おおかた、すみれを相手にするのが怖かったんでしょ」
「あー、あいつがすみれのこと気になってたら太刀打ち出来ないってことね」
「奥野くんって、そんなにかっこいいん?」
「私も興味あるわね」
「いやー・・・・・どうなんだろ?」
「普通の男の子だよね」
すみれがバッサリと言い切って、蘭と明もあー、という顔をした。




