じごく
今話は大変気を悪くする可能性があります。飛ばしても全く問題ありません。
おばの部屋で雑炊をいただいた後、自室に戻ると0時を大幅に過ぎていた。私は睡眠障害もあり、寝る前に睡眠導入薬と精神安定剤を飲んでいる。今から薬を飲むと、明日の朝に障りそうだ。
体を横たえ、休める。しかし眠ることはしない。
睡眠導入薬を飲まない場合の私の寝つきの悪さはかなりのものだ。
時計を確認しつつ、夜が明けるまでの時間を数えた。あと何時間で朝日がのぼるだろうか。
体を横にし、目を閉じるだけでも体力は回復する。
最後に時計を見たのは、午前3時過ぎだったはずだ。
私は地獄の中にいた。
気付けばあの冬の現場に立っている。璃子の姿が見える。私が璃子の背中を押す。トラックが来る。頭の中で数字が羅列する。私が璃子を押した。璃子がひかれた。34156692。救急車。1199225380。私のせいで。
はっと息を吐く。時計の針が示すのは午前3時12分。璃子の背中を押す感触が手に残っている。数字の羅列はただ無為に頭の中で浮かんでは消える。
いつの間にか眠ったのか、気絶したのかは分からないが、夢を見ていたらしい。
再度体を横にして、朝までの時間を数える。
全く同じ地獄が訪れる。
止まらない数字。加速する思考。あの場所は何度も夢の中に現れては事故をおこす。トラックのナンバー。璃子が倒れる。血が流れる。まっ白な璃子の顔。璃子。璃子璃子璃子璃子璃子璃子。
また起きる。現在時計は3時19分。無限に続くような地獄は僅か数分で流れるらしい。
眠気でぼんやりとした頭。寝不足で頭痛のする頭を無理矢理たたき起こし。冷蔵庫から冷たいお茶を飲んで一息つく。直後トイレへ駆け込んで胃液とお茶を全て吐いた。
3時26分。朝はまだ来ない。




