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決壊
憎い。そうだ、憎いのだ。
好きの裏返しは無関心だというが、それは視野に入らなければの話であり、すでに意識の中に入っているコイツには当てはまらない。
無関心でいられたらどんなに良かっただろうか。だが悲しいかな。コイツとはりこという何にも変えられない共通点がある。もしコイツがりことなんの接点もないのなら、そうであれただろう。
だが、コイツはあろうことかりこのかつての恋人であり、りこという存在を深く知ってる人間の1人なのだ。
りこという共通点がある以上、無関心ではない。無関心では、いられない。
「命よりもって、大げさだな。ただの友だちだったんだろ?」
私の勢いに少し引いたように言葉を紡ぐコイツは、今なんと言った?
ただの、友だち?私とりこが?
「ふざけないで!」
それは反射的に口から出た言葉だった。頭の中がかっと熱くなるのを感じた。胸の中は氷を刺し込んだように冷えていくのを感じた。
「あなたなんかに、りこのことをとやかく言われる筋合いはないわ!たかが数カ月恋人だっただけの分際で、りこのことを語るな!」
だめだ。落ち着けない。涙があふれる。言葉が止まらない。頭が熱い。胸が痛い。
「あなたがいなければ、私とりこは平和に過ごせていたのに!この学校に来ることもなかったのに!」
止まらない。
「返してよ・・・・・りこを返して!」




