テスト終了
中間テストである。
ある者は自信満々に、ある者は意気消沈し、実施後は開放感を味わいつつも、結果を思って悩むアレである。
テストは粛々となされ、クラス内では普段よりも騒がしい空気が流れている。
「え、あの大問の答えマジ!?」
「おわった〜」
「終わった・・・・・」
と、無数のノイズに囲まれながら今日の献立について考えていたその時である。
「ごめん、高田さんは今いるかな?」
と、クラスをまたいでやってきたのが奥野康太である。そういえばテストが終わったら話をすることになっていたな、と思い出し教室から抜け出す。
好機の視線は多く、この場で話すなどもってのほかである。
「寮に帰るまで待てないのかしら・・・・」
思わず漏れてしまった呟きは誰の耳にも届かなきったらしい。
「はいはい、どこで話すの?」
暗にここで場所を変える、と伝える。
「え、あ、どこでもいいけど・・・・」
「そう、じゃあせめて廊下の端にでも行きましょうか。ここじゃ迷惑になるし」
なにより私が疲れるし。
「わかった、じゃあ移動しよう」
そうして廊下の端。非常階段の前まで移動すると、口を開いた。
「その、まずはテストお疲れ様」
「ええ、お互いにね」
「その、テストが終わってから話したいって言ったのは、ちゃんと時間が欲しかったからで」
「うんうん、で、その内容は何かしら?」
「その、りこのこと、なんだけど」
ずきり、と音がした。いや、錯覚だ。実際に音が聴こえたわけじゃない。頭か胸の中か分からない、体の中のどこかで何かが軋む音が聴こえた気がした。
「俺にとって、りこは彼女だった。大切な人だった。さちにとっては、どんな人だったのかなって、思って、ちゃんと聞いたことがなかったから・・・・・」
そうか、片山先生に言われて、まずはそれを確認に来たのか。だが、今更、その言葉が、出るのか?
「私にとってのりこは、何よりも大切な人よ。自分の命以上に。この思いが歪なことも分かったうえで言うわ」
ああ、もう引き返せない。
「私はあなたが憎い」




