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第13話 遊園地跡

  ※ ※ ※ ※ ※ ※


「お頭、2人の侵入者は『竜奴瑠病院』をまんまと抜け出しました。邪魔者さえ入らなければ、仕留められたものを......残念です」


 頭上に並べられた『モニター画面』に映る年若き男女の姿を目で追いながら、がたいのいい黒服男が苦虫を噛み潰したかのような表情で呟いた。


 そしてその者は、先程からやたらと手をブルブルと震わせている。何かの後遺症か?


「で......こいつらはどこへ向かってるんだ?」


 部下に『お頭』と呼ばれた小男も、なぜだか手をブルブルと震わせながら、そんな問い掛けを始めた。こっちも何かの後遺症か?


「北へとまっしぐらです。恐らく......目的地は炭鉱跡ではないかと」


 するとお頭は、突然スイッチが入ったかのように立ち上がった。


 バタンッ!


 勢いで椅子がひっくり返る。


「ダメだ、ダメだ! 絶対に炭鉱跡へは入れるな! ラブホで失敗して、今度も失敗しようものなら確実に首が飛ぶぞ! まぁ、あん時は他の部隊が機転をきかせて『マーメイド』は取り返したけどな」



 どうやらこの『お頭』なる者......


 ホテル『マーメイド』で『バリバリ美緒スペシャル3号』の餌食となったあの時の『お頭』らしい。


 と言う事は......手のブルブルもきっとこの時の後遺症なのだろう。でもまぁ、あれだけ長時間感電して、今命があるだけ良しとしなければならない。


「大丈夫ですって。炭鉱の手前にはまだ『夢の国』が有ります。あそこで必ず仕留めて見せますからご安心を」


「マジで大丈夫?」


「もう既に強者を大勢忍ばせています。きっと彼らがやり遂げてくれるでしょう」


「あらそう......なら安心か」


 そんな『お頭』と部下は、モニターに映し出されているエマとポールの姿をしっかりと目で追っている。


 既に丸裸同然のエマとポール。その一方、敵の目は2人姿を完璧に捕らえていた。いかに百戦錬磨のエマ達とは言え、このハンデはあまりに大き過ぎると言わざるを得ない。


 しかも敵は『夢の国』なる戦地において、既に陣構えを完了してるらしい。


 残念ながら......『飛んで火に入る夏の虫』とは、正にこんな状態の事を言うのだろう。


 くわばら、くわばら......



 ※ ※ ※ ※ ※ ※


 一方、そんな丸裸のエマとポールはと言うと、



「なんじゃここは?!」


「ナンカ......『夢の国』って書いてあるみたいデスネ」


「やたらとデカイ敷地だな」


「チョット待って下さい。今旧地図で調べてマスカラ......オオ有った、有った。エマサン、ここは元遊園地だった場所デスヨ」


「遊園地跡地か......なんか臭うな。よし、ここも潰してくぞ」


「ヤッパそう来ますか。トホホホ......」


 血気盛ん? に死地へと突入して行くエマとポールの2人だった。



 テクテクテク......


 3歩下がって、


 テクテクテク......


 もうここは祈るしか無い。2人に神のご加護が有る事だけを。



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