表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/95

第5話 ビーチフラッガー

 ガタガタ......


「ハァッ!」


 ゴトンッ......


「ヒィッ!」


 ゴロゴロッ......


「フゥッ!」


 バキッ......


「ヘェッ!」


 バシッ!


「ホドホドにしろよ!」


 ポールの頭を思いっ切り叩くエマ。情報分析してる時に、横でやかましくされたら集中出来ない。


「ス、スマンです......」


「計測器類の数値はどうだ?」


「計測機器?......ハイ、ちょっと待ってクダサイネ。ええと......まずは電磁波計。どれどれ......僅かな値を示してイマスガ、これは我々のスマホと懐中電灯が出してる電磁波の影響デショウ。


 あとガイガーカウンター......おや? 少し高めですね、0.5マイクロシーベルト。平常時の約10倍デス。でもまぁ、今日1日位浴び続けテモ、人体に影響が出ないレベルではありマスガ......」


「0.5マイクロシーベルトか......確かに高めだな。よし、計測器の数値はこの後も気にしててくれ。あんまり高くなるようだったら、上から防護服着なきゃならん。それじゃあ......先に進むぞ」


「了解......デス」


 ポールが浮かない顔して、再び1歩を踏み出したその時のこと。遂に、事態は急展開を見せたのである!



「うわぁー!」


「出たあー!」


「逃げろー!」


 バタバタバタッ!


 突如、階段を駆け降りて来る複数の慌てた足音が! その鬼気迫る叫び声を聞いただけで、その者達の狼狽ぶりが目に浮かんでくるようだ。


「アヤヤヤヤッ! なっ、何事?!」


「足音が聞こえてるんだから、幽霊じゃ無いだろ。叫び声からして男が2人、女が1人。外の足跡と一致してる。どうせ興味本意でやって来た物好きか動画投稿マニアだ。驚くに足らん」


 どこまでも冷静を貫き通す、頼もしきリーダーがそこに居た。


 やがて予想に違わず、その者達が2人の視界に飛び込んで来る。


①地下アイドル的風貌の少女が1人。

(ツインテールのお目目パッチリ顔・今時の女子高生風)


②オタッキー風ボサボサ髪のちょいデブ男が1人。

(ハンディカメラ片方・腹の贅肉にウェストポーチ 食い込み)


③ちょっとインテリ七三分け針金男が1人。

(大きな照明器具を背負い・AD的風貌)


 ①+②+③=動画投稿マニア集団......そんな計算式が容易に成り立つ3人組だった。


 3人揃って髪の毛は逆毛立ち、6つの目は全て血走っている。幽霊に襲われたとでも言うのだろうか?


 そんな『ビーチフラッカー』達は、2人の姿を確認すると、素早くスクリームを開始した。


「うわぁ、こっちにも居るぞ!」


「い、いや待て。あっ、足が有るから人間だ!」


「待って、でも身体透けてる?!」


 別にエマとポールの身体は透けて無い。きっと焦り過ぎて目が霞んでるのだろう。



「チョット君達、ドウシタンダ?!」


 猛牛の如く突進してくるそんな3人組の威に圧倒され、思わず後退りしながらポールがそんな叫び声を上げると、


「うっ、煩い! どけっ!」


 ドンッ!


「ウワァー!」


 ポールを突き飛ばし、我先にと『竜奴瑠病院』から逃げ出して行った。



 こんな霊気漂う廃墟病院へわざわざフル装備でやって来た3人衆......


 少しは『筋金入り?』なのかと思いきや、実際はそうでも無かったらしい。見ていて哀れになる程の狼狽振りだ。


 一方、3台の暴走機関車に引き殺されたポールはと言うと、激しく腰を地に打ち付け、悲痛の表情を浮かべてる。


 そんな無様なポールの様子を外野から眺めていたエマは、優しくポールに手を差しのべながら優しく無い事を言い始めた。


「おっと! いよいよ面白くなって来たな。よしっ、お前が先に進め」


「ちょっとエマサン、もう止めましょうッテ!」


「ここまで来て手ぶらで帰れるか。タクシー代3,600円が勿体無いだろ」


「そのくらい僕がポケットマネーで払いマス!」


 スタスタスタ......


「ちょっとエマサン、行ったらダメデスッテ!」


「お前はタクシー呼んで帰ってろ。最近じゃ、無理矢理連れてったりすると、パワハラで訴えられるからな」


 気付けば既に、エマは霊気漂う階段を上り始めてる。何が何でも行かずにはいられないらしい。


 がらくたを蹴り飛ばし、クモの巣を打ち払い、そしてあっと言う間に3階へと到達してしまった。その行動に、一切『躊躇』と言う名のブレーキは掛けられていなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ