第15話 コロニー
「そ、そんな......」
一方、地に膝を着き、がっくりと肩を落とす所長だった。この世の終わり......正にそんな表情であったことは間違い無い。それはもう見ていて気の毒になる程だ。
所長がそれ程までに恐れるcoyoteなる人物は、一体どれ程の権力を持ってると言うのだろうか? 恐らく計り知れないものが有るのたろう。
ただ一つだけ言えること......
それはエマ達4人に取って、その者こそが最後の敵であると言うことだ。極神島、樹海における秋葉秀樹、そして極東ロシアにおけるウォールがそうで有ったように。
そして過去のそんな難敵よりも、coyoteは遥かに強敵で有ることをまだエマ達は知らない。
でも間も無く思い知らされることであろう。決して挑んではいけない敵に喧嘩を仕掛けてしまったと言うことを......
※ ※ ※ ※ ※ ※
ここで一旦、ここ【コロニー】について解説しておくこととする。
そこは言うまでも無く、帝国化学工業(株)が鉱山跡地と言う地の利を生かして作り上げた犯罪都市に他ならない。蟻の巣を想像して貰えば分かり易いかも知れない。
ここには数多の大きな空間が存在し、街が形成されている。
そんな空間はこれまた数多の複雑な通路で連結され、その複雑さはそこに暮らす住人ですら道に迷う程だった。
ここで一つ重要なことは、理由はともあれ、地下1000メートルのその地で暮らす全ての住人が全てを理解した上でそこに暮らし、そして業を営んでると言うこと。
そして1度ここへ足を踏み入れた者は、2度と太陽を見ること無くここで生涯を終えている。正に地上と完全に隔離されたら別世界とでも考えて貰えば理解し易いのかも知れない。
またそんな地上と隔離された閉塞空間であるが故、これ程までに大胆な別世界を作り上げることが出来たのでは無かろうか。とにかく驚きの一言だ。
そして今正に、
地上人である2人の年若き男女が強固に作られた結界を破って地上との接点を作ろうとしていた訳である。
そうともなれば、コロニー側はこの後何が起ころうとも、絶対に2人を地上へ返すことは負かりならない。例えどんな犠牲を払ったとしてもだ。
それはコロニーが生き続ける為の絶対条件な訳だから。
そしてポールと凛の2人は、まだ知る由も無かった。
コロニーには、2人の攻撃を防ぐが為の1000にも及ぶ絶対的な盾が存在すると言うことを。
もしここにエマ程の人物が居たとしたならば、背後に寄り添う死神の存在に気付いていたのかも知れない。
でも今ここにエマは居ない。それが全てだったのである......
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「なんなんだ......一体ここは?」
「コレって、もしかシテ......」
「まさかな......」
「デモどう見たッテ......」
「街......」
「デスヨネ......」
............
............
............
地上ではそろそろ朝日が昇る時間。
でもコロニーの夜は今始まったばかり。
恐らくポールに取って、これから始まる夜はきっと生涯忘れることの出来ない残酷な記憶として残るに違い無い。
凛の背後に寄り添う死神は、決して離れることは無かったのである。
非常に残念な話では有るのだが......




