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第10話 大手クランの偽装重傷

偽装重傷は、治ったことより盛れたことを喜ぶ。


 翌日、灯が追加で拾ってくれたのは《白狼ストリーム》の会員向け限定配信だった。削除済みだったが、視聴者の一人が保存していたらしい。


 映像には、見学会後の控室で笑う若い探索者たちが映っていた。腕へ巻かれた包帯を外しながら、一人が言う。


『これで特別補償も追加薬も通るなら美味しいな』


 別の男が金色の小瓶を振る。


『A級、売れば結構いくぞ』


 私は息を止めた。


 軽傷を重傷へ偽装し、無料支給の高級回復薬を持ち出して売る。請求水増し、保険金上乗せ、在庫の横流し。全部が一本の線になった。


「ここまで来ると、救護詐欺だな」


 桐生が言う。


「しかも常習です」


 私は映像を止めた。テーブルの端に映り込んだ承認封筒には、救護局査定室の仮印が押されている。私が拒んだあと、片瀬が通した承認だ。


「三上も片瀬も、ただ押し切られたんじゃない。最初から分かって通してる」


 灯が冷静に言う。


「表へ出したら相当燃えます。でも今はまだ、一撃で逃げられない形へしましょう」


 その通りだと思った。怒りの強さだけで動けば、向こうは『一部の不心得者でした』と切り捨てる。必要なのは、個人の暴走じゃなく仕組みとして通していた証拠だ。


 なら次に押さえるべきは、上だ。


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