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第六章  天変地異の進軍 30話:【収束する絶望】

王が拳を突き入れたことで、要塞内部の空気圧が急激に変化した。

女王が内側から解き放つ「紫の爆炎」と、外側から王が殴り込んでくる圧倒的な「衝撃の余波」が重なり合う。要塞の内部は、まるで巨大な洗濯機の中に放り込まれたかのように、空間そのものが無秩序にねじれ、破壊されていく。


天使族の魔王たちは、血相を変えて必死に高位魔法を展開し、防御を試みた。しかし、王の放つ衝撃波の前では、どれほど複雑に組まれた魔法の防壁さえもが、ただの脆い壁として物理的に押し潰される。


彼らが積み上げてきた数千年の魔導技術。宇宙の理さえ超越できると信じていたその結晶が、王の「筋肉と意志」という原始的な暴力の前に、砂上の楼閣のように無力化されていく。


――なんてものに手を出してしまったのだ。


魔王たちの脳裏に、「絶望」の二文字が鮮明によぎる。それは彼らの長い生涯で初めて味わう、魂を凍りつかせるような感覚だった。


要塞の中では、天使たちの断末魔が絶えず響き渡っている。

恐怖に顔を歪め、絶対的な畏怖に震えながら、彼らは死を迎える。王の姿を直接視界に捉えることさえできず、ただ圧倒的な「蹂躙」にのみ込まれていく。


破壊の嵐のど真ん中で、アリシアだけがその足音を聞き取っていた。紫の雷火を纏う彼女の瞳に、粉々に砕け散る要塞の光景は、ただの「王の帰還の儀式」に過ぎなかった。

すべてが消え去り、すべてが破壊された先に、ようやく愛する者との再会の時が近づいている。


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