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失恋したギャルの「彼氏としたかったこと」に、なぜか俺が付き合っています。  作者: ころもぐら


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第12話 俺が選ぶ、土曜日

 月曜日の午後、授業が終わると、拓海が俺の机へ教科書を戻した。

「ありがと。次のとこ、分かった」

「今日やった範囲も一緒に出ると思うけど」

「そっちはノートある。課題、どこまでだったか分かんなくなってたんだよ」

 昼休みに貸した国語の教科書には、俺が挟んだ紙もそのまま残っていた。受け取って鞄へしまうと、横で藤崎さんも帰り支度を始めている。

 俺が行ってみたいところへ、一緒に行きたい。

 昼に言われたことを、授業の間に何度か思い出した。彼女が何を食べたいかではなく、俺がどの道を歩きたいか。そう聞かれると、すぐに一つには決まらなかった。

「三原、今日のこれ、金曜までだって」

 藤崎さんが持ち上げたのは、帰りの連絡で配られた進路希望調査の用紙だった。以前もらった記入例と同じ形の欄が並んでいる。

「うん。家で相談して書くやつだな」

「何が好きか、ってところ、広いよね。好きな教科じゃなくてもいいんだって」

 俺は紙を見直した。進学先の希望の下に、興味を持っていることを書く欄がある。記入例なら何かが書いてあったが、自分のものはまだ白い。

 前の席で拓海が紙をファイルへ押し込みかけ、角を折った。気づいて引き出し、指で伸ばしている。

「俺、好きなことならすぐ書けるけど、それと学校はまだ別だわ」

「漫画読む、とか?」

 俺が聞くと、彼は、書いてもいいけど、と笑った。

「全部読むまで寝ない、って付けると生活の指導になりそう」

「それは、書かなくても寝た方がいいよ」

 藤崎さんが言い、拓海も、八巻来たら気をつける、と返した。まだ届いていない本を読む日の心配をしている。

 俺も用紙を折らずにファイルへ入れた。以前、置き忘れた記入例は、その後ろに挟んである。紙を二枚そろえたところで、藤崎さんが鞄を肩へ掛けた。

「じゃあ、道のことも、ゆっくり考えてね。私、土曜の午後は変わらず大丈夫だから」

「うん。分かったら話す」

 俺が答えると、彼女はうなずき、高瀬さんに呼ばれて廊下へ出ていった。俺も少し遅れて教室を出る。

 急いで決めて今言わなくても、明日また聞いてくれる。そのことを、随分自然に信じていた。


 その日の夜、机へ進路の用紙を置き、先に夕食の食器を下げに行った。

 台所にいた母へ提出が金曜だと伝えると、食後に見ようと言われる。俺は自分の部屋へ戻り、鞄から土曜日に買った街歩きの本を出した。

 読みかけのページには、拓海が知っていた揚げ物の店がある。そこから先の道も気になっていた。でも、今回歩きたいと思ったのは、写真で見た店のある通りとは別だった。

 スマホで以前撮った写真をさかのぼる。駅前、橋の下、坂の途中。何枚も続けているうちに、青く塗られた歩道橋の写真が出てきた。

 桜瀬駅から川へ向かって歩いたときのものだ。自宅の最寄りから三つ先の駅で、電車なら十二分ほど。川沿いに遊歩道があり、住宅地の裏を通って駅へ戻れる。

 前に行ったときは、川を渡らず、手前の道を歩いた。写真を撮った場所からは、橋の向こうの高台にある公園の入口が見える。

 あの先から、川はどんなふうに見えるのだろう。

 そう思って印をつけたまま、まだ行っていなかった。駅の近くに評判の店があるからではなく、あの橋を渡ってみたかった。

 地図を開き、道のつながりを確かめた。公園へ行く坂の手前まで遊歩道が続き、休める場所もある。駅へ戻るなら川の反対側を回れそうだった。

 歩く距離を見ていると、画面の上へメッセージが届いた。藤崎さんからだった。

『進路の紙、まず名前だけ書いた』

 俺は机の白い紙を見た。

『俺、まだそこも書いてない』

『じゃあ私、一歩進んだ』

『今書く。追いつく』

 返事を送ってから名前を書き、ペンを置いた。続けて届いた猫のスタンプは、両手を腰へ当てていた。

 俺は思い出したように、映画の紹介ページも開いた。昨日の雑誌に載っていた建物の撮影風景が、公式の紹介にも一枚ある。ロケ地をまとめた案内は見つからなかったが、その写真があるページだけ、彼女へ送った。

『店の中、これにもあった。紙のことは分かんなかったけど』

『あ、本当だ。おじさん、こっちも笑ってる』

『映画の外の話な』

『分かってます』

 画面を見て笑い、俺は地図へ戻った。昨日の話をしたくて連絡してくれる相手と、次の土曜日も会う。それなら、この橋のことを話してみようと思った。

 母に呼ばれ、俺は進路の紙を持って部屋を出た。大学へは行きたいが、何を学ぶかまでは決められていないと話すと、今の希望を書いてみればと言われた。

 まだ決めていないことも、書く内容の一つでいいらしい。それなら、空いた欄をそのままにせず、調べたいことから考えてみることにした。

 部屋へ戻りかけると、弟が廊下から俺を呼んだ。

「あの映画、もう見た?」

「どっち? 配達の方なら、見てない」

「それ。友達が今度行こうって。兄ちゃん、そっち見るのかと思ってたから」

 俺は、別の映画を見たと答えた。机に置いてあったチラシを見て、弟も覚えていたらしい。

「面白かった?」

「うん。店を閉める前に撮影するやつ。お前が言ってるのとは、全然違うけど」

「配達しないんだ」

「しない。荷物の積み方の心配もしなくていい」

 弟は少し笑い、見てきたらどうだったか話す、と言って自分の部屋へ戻った。俺も、ネタバレは聞かないかもしれない、と声を掛けてから、机へ座った。

 気になる映画があっても、今度は弟が先に見ることになる。それなら後で、どの辺りが面白かったか聞いてもいい。選ばなかった方の映画のチラシも、まだ引き出しには残してある。

 俺はスマホの画面へ戻り、橋の写真をもう一度開いた。

 写真の端に、手すりへ留められた小さな案内板が写っている。現地ではあまり読まずに通り過ぎたが、拡大すると、公園へ続く道が線で示されていた。

 たくさんの店を回るより、橋の向こうへ行ってみたい。そこまで考えたところで、写真を選ぶ手が止まった。

 藤崎さんへ見せるなら、川がきれいに写っている別の一枚の方がよさそうだった。空の色も明るいし、橋の全体も見える。けれど、行きたい場所を説明するなら、案内板が入っている方が分かりやすい。

 俺は二枚を並べてから、最初の写真へ戻した。写真が一番うまく撮れた場所へ連れていくのではなく、あの先を歩きたいのだ。だったら、何が気になったのかも、そのまま話せばいい。

 明日見せる画像を決め、俺はスマホを机の横へ置いた。隣には、まだ書きかけの進路の紙がある。そちらはすぐに決まらないので、今夜は、興味のあることを別の紙へいくつか書くところまでにした。


 火曜日の昼休み、俺は弁当を食べ終えてから、藤崎さんへ写真を見せた。

「土曜、ここ、歩きたいんだけど」

 画面を見た彼女が、身を寄せる。青い橋と、その下を流れる川。写真を撮った日は、手すりの影が道へ斜めに伸びていた。

「橋、こんな色なんだ。どこ?」

「桜瀬。駅から少し歩いたところ。この先の公園、前から行ってみたくて」

「この写真は、手前?」

「うん。前はここから川沿い戻った。今度は、渡って向こうまで歩きたい」

 藤崎さんは画面の端に見える木の辺りを指した。

「この上のところ?」

「そう。坂あるから、ずっと平らじゃないけど」

「いいね。川の方、上から見えるのかな」

 俺はうなずきかけて、分からないと答え直した。

「地図だと近い。実際にどのくらい見えるかは、まだ見てない」

「そっか。じゃあ、行ってみたいね」

 彼女は簡単にそう言い、もう一度写真を見た。俺が全部知っていて、見せられるものを用意していなくてもいいらしい。

 横から拓海がのぞき込み、橋の向こうの細長い形を指した。

「これ、何? でかい鳥?」

「街灯。遠くて、そう見えるけど」

「あ、本当だ。首みたいなとこ、曲がってるからさ」

 藤崎さんが画面を近づけ、拡大した。

「鳥だと思って見ると、もう鳥にしか見えない」

「横の、同じのも立ってる」

 俺が言うと、向かいの高瀬さんも写真を見た。

「一羽じゃなくて、二羽いるんだ」

「街灯だからな」

 拓海が自分で言ったのを訂正するので、俺たちは笑った。写真を撮ったときには一度も気にしなかったものが、四人で見ると目立ってくる。

 俺がスマホを引こうとすると、藤崎さんが、送って、と言った。

「当日、同じとこ探したい。鳥の街灯」

「そっちが目的になったな」

「公園も行くよ。途中も面白いって、三原が言ってたんじゃん」

 彼女に返され、俺は、確かに、と笑った。

 写真を送ると、藤崎さんはすぐに保存した。それから土曜日の予定の話になり、十三時に、いつもの駅前の時計の下で会うと決まった。

 昼はそれぞれ済ませてから。電車で桜瀬駅へ行き、川沿いと公園を歩く。暗くなる前には戻るつもりで、雨なら金曜日に相談して別の日へ変えることにした。

「電車、いくらくらい?」

 藤崎さんが聞いた。

「片道二百円。あと、飲み物とか買っても、千円くらいで考えてる」

「うん。それなら大丈夫。いっぱい歩くなら、靴はいつものにしよ」

 俺は彼女の白いスニーカーを思い出し、こっちも歩ける靴で行く、と答えた。

 彼女が自分の手帳の予定欄へ書き込むのを、机の横から見る。並んだ土曜日の文字の後ろに、今度は俺が選んだ駅名が入った。


 水曜日の放課後、俺は進路の資料を見に図書室へ寄った。

 図書室の一角には大学や専門学校の案内が並んでいた。知らない学校名を見ても、それだけでは違いが分からない。俺は学部や授業内容の説明がある冊子を一つ取り、空いている机へ座った。

 写真を撮って歩くことが好きだからといって、そのまま仕事にしたいかと聞かれると、まだよく分からなかった。建物を見ているのが楽しいのか、その街に行くことが楽しいのかも、場面によって違う。

 とりあえず、街や地域について学ぶ授業があるところを見てみる。知らない言葉も多く、読んでいるうちに、別の冊子も必要になった。

 席を立とうとすると、棚の向こうから高瀬さんが出てきた。手には、背の高い本を抱えている。

「三原くんも、紙のやつ?」

「うん。興味あることって、何書くか迷って」

「私、好きな教科は書いた。学校名は、まだ見てるところ」

 彼女は俺の机の端の冊子を見て、今いい、と聞いてから向かいへ座った。抱えていたのは、資料を調べるための本ではなく、写真の多い料理の本だった。

「それは、好きなことの方?」

「家で妹と作れそうなの、探してた。休みの日の昼、私たちだけになるから」

「ああ。何作るの?」

「まだ。できれば、最後まで手伝ってくれるやつ」

 高瀬さんが開いたページには、何種類もの具を並べた小さなサンドイッチが写っていた。朝から全部切るのは面倒そうだと言いながら、彼女は目次へ戻る。

 俺は冊子を棚へ取りに行き、席へ戻った。高瀬さんは別のページを見つけ、これなら片づけも少なくて済むと、一人でうなずいている。

「莉緒、昨日、あの橋の写真、また見せてたよ」

 ページをめくったまま、高瀬さんが言った。

「街灯のやつ?」

「うん。鳥だって言ってから、本当は違うって説明してた」

「二回説明しないといけないんだな」

「でも、楽しそうだった」

 俺は冊子へ目を落とした。写真の端の街灯まで、彼女は誰かに話したくなったらしい。

 高瀬さんは借りる本を決めると、先に席を立った。俺も、もう少しだけ読むと言って、資料へ戻る。

 紙へ書くためだけに見始めたけれど、街の写真の横に、住んでいる人のことを調べる授業の説明があった。歩いただけでは分からないことも、学べるのかもしれない。

 学校名を決めるところまでは進まなかった。それでも、気になった授業の名前を二つ、手元の紙へ書いてから席を立った。


 木曜日の帰りの連絡が終わると、藤崎さんが俺の机の端を指した。

「進路の、書けた?」

「大学進学の方にした。学部は、まだ決められてないけど」

「そっか。私も、今気になってることで書いた。服とか、雑貨とか。学校は調べてる途中って」

 彼女は自分の紙をファイルへしまった。俺は内容をのぞかず、筆箱を鞄へ入れる。

「昨日、少し調べたら、知らない授業ばっかだった。学部の名前だけじゃ分かんないんだな」

「分かる。私も、作るのと売るのって、どっちも服の学校の話に出てくるから、まだ迷ってる」

 彼女はそこで、私、作れるもの全然ないんだけどね、と笑った。

「今から調べるなら、そこも分かるんじゃない。何するところなのか」

「うん。雑誌見てかわいいって言うのと、自分でやるの、違うもんね」

 俺も好きなことを一つ書いただけで、将来を決めたつもりにはなれなかった。でも、何も分からないから書けないと思っていたときより、次に何を見ればいいかは少し分かった。

 藤崎さんと昇降口へ向かう途中、彼女が鞄から小さな布の袋を出した。

「これ、お姉ちゃんが余ってるのくれた。家で使ってみてる」

「この前言ってたやつ?」

「うん。雑誌のとは違うけど。手帳にちょうどよかった」

 無地の袋には短いひもがついていた。彼女が口を開くと、中に淡い黄色が見える。

「家の鞄だといいんだけど、学校のだと、袋ごと下に行く」

「袋に入れたら浮くってわけじゃないしな」

「そう。それを今、実感してる」

 藤崎さんは困ったように笑い、ひもを締めた。俺も、底にたまる物が一つにまとまっただけでは、と考えてしまい、口元を隠す。

「笑ってるでしょ」

「いや。取り出しやすくするの、難しいなって」

「分けた分だけ見つけやすくはなったよ。でも、まだ変えたい」

 彼女は袋を鞄へ戻し、肩ひもを掛け直した。便利な物を見つけて買うだけでなく、自分の使い方に合わせようとしているのが、少し面白かった。

 靴を履き替えたところで、彼女が俺を見る。

「三原、土曜、川の道、どっちから歩くの?」

「駅から行って、先に橋渡ろうと思ってる。公園の後、反対側から戻れそうだから」

「ぐるっと一周?」

「うん。ただ、上に上がる道、俺も初めてだから。全部、案内できるわけじゃない」

 藤崎さんは靴箱の扉を閉め、少しだけ首をかしげた。

「三原も見たいんでしょ?」

「見たい」

「じゃあ、一緒に探そ。道、二人で見ればいいじゃん」

 彼女は当たり前のように言って、外へ歩き出した。

 俺も追いつき、手前まで行ったときは水面があまり見えなかったから、向こうを確かめたかったのだと話した。ちゃんと分かってから連れていこうかと、一度は考えたことまでは言わなかった。

 彼女が知りたかったのは、俺が見たことのある場所だけではない。行きたいと選んだところへ、一緒に来てくれるのだと思うと、土曜日の地図から余分な印を減らしたくなった。

 念のための店を何軒も並べなくても、まずはあの橋へ向かえばいい。


 金曜日の朝、書き終えた進路希望調査を提出した。

 学部の欄には、未定と書き、その横に地域や街について学べるところを調べたいと添えた。今の自分が書けるのは、そこまでだった。

 隣で紙を出した藤崎さんと目が合い、彼女が小さく両手を上げた。

「名前だけから、進んだね」

「そっちもな」

「私は最初から、名前は書いてたんで」

「そこ、まだ言う?」

 笑って返すと、彼女も肩を揺らした。用紙を集めた担任が廊下へ出ていき、俺は机の上へ教科書を置く。

 放課後、土曜日の天気を二人で確かめた。雨の予報ではなかったので、そのまま行くことにする。歩く途中で飲めるように、俺も彼女も家から水を持っていくと決めた。

「何か、遠足みたいになってきた」

 藤崎さんがスマホをしまいながら言った。

「しおりは作ってないけど」

「おやつの値段は決まってたよね。全部で千円くらい」

「電車代も入ってる」

「それ引くと、あんまり買えない」

 俺が笑うと、彼女も、本気で買い込むつもりじゃないよ、と付け足した。

「でも、途中で何か食べたくなったら言う。三原も、見たいのあったら言ってね」

「うん。写真撮るの、止まるかもしれない」

「いいよ。私も撮る。あとで、同じの撮ってたか見せ合お」

 そう言われ、俺は日曜の自撮りを思い出した。彼女はカメラを見ていたのに、俺は笑った彼女を見てしまった。

 同じものを見ているつもりでも、写真には違うところが写るのかもしれない。今度は風景でも、彼女が何を撮るのか見てみたかった。

 教室を出るとき、拓海から本が届いたと声を掛けられた。帰りに受け取りに行くと言うので、俺も駅前まで一緒に歩いた。藤崎さんは高瀬さんと別の用事があり、昇降口で別れた。

 拓海は、これでやっと続きを読める、と嬉しそうだった。俺は、寝ないで読むなよ、と答え、金曜日の夕方の駅前で手を振った。


 土曜日、時計の下へ向かう途中、俺は鞄の中の水を確かめた。

 歩ける靴と、スマホと財布。特別な道具はない。薄い長袖のシャツを羽織り、下にはTシャツを着ていた。今日は買い物でも、映画でもなく、川沿いを歩くつもりで家を出た。

 十二時五十五分に広場へ着くと、藤崎さんはまだ来ていなかった。日陰で待ちながら、地図の印を開く。

 青い橋の先へ行く。それだけ決めたら、帰り道には少し余白ができた。気になった方へ曲がって、疲れたら休む。一人で歩くときにしていたことを、今日は彼女と相談しながらやってみる。

「三原、お待たせ」

 呼ばれて顔を上げると、藤崎さんが広場の入口から手を振っていた。白いスニーカーでこちらへ来る彼女を見て、俺もスマホをしまう。

「まだ十三時前。大丈夫」

「よかった。靴、今日もこれにした。歩く準備できてます」

 彼女は片足を少し前へ出して見せ、すぐに戻した。俺はそれを見て笑い、駅の方を指す。

「じゃあ、桜瀬まで行こう。まず、あの橋から」

「うん。鳥じゃない街灯もね」

 さっそく思い出した彼女が笑った。俺も、あれはちゃんと確かめよう、と答え、隣へ並ぶ。

 改札へ向かいながら、俺は最初の写真をどこで撮ろうかと考えていた。橋だけ撮るのもいいけれど、今日は、彼女が橋を見つけるところも見ていたかった。

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