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君といきたい ー不要品AIと小さなフクロウの旅ー  作者: yunimituki
第6章ー公開処刑ー

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第6章-91 和やかな裁判長室

ー裁判長室ー


サクは裁判長室の鈴をならした。


「レイ様、サクです。」


「入ってください。」


「おはようございます。

レイ様、本日もよろしくお願いいたします。」


サクは部屋の扉を開け、裁判長席に座るレイにお辞儀をした。


「おはようございます。

サクさん、今日はこちらの資料整理と、集計をお願いします。

私の席を使ってください。」


サクは副裁判長の席に座り、レイから受け取った書類の確認を始めた。


「レイ様、恐縮ですが、この資料は今後省いた方がよろしいかと。

こちらの資料と重複しています。

そして、この集計ですが記載の仕方を……。」


サクの提案にレイが頷く。


「確かにその方が見やすいし、分かりやすい。

ありがとうございます。そうしましょう。」


「かしこまりました。

他の事務員にも共有いたします。」


サクは次々と書類を整理していく。


レイはその姿を、興味深そうに見つめた。


「サクさん。仕事がこれほど出来るのに、なぜ副裁判長に立候補されなかったのですか?」


サクは手を止めレイの顔を見た。


真剣に見つめてくるレイに、フッと笑った。


「俺は出世にも、名誉にも興味が無いんです。

あるとすれば、弟をからかったり、美味い飯を食べる事くらいですよ。」


「からかいと、美味い飯……ですか。」


「ええ、宜しければ、今度一緒にいかがです?

美味い店紹介しますよ。」


「い……一緒にですか?」


レイは少し顔を赤くした。


サクは吹き出した。


「ハハっ!レイ様。顔が真っ赤です。

普通そこで赤くなりますか?」


「ち、違います!なんでもありません。

早く仕事を進めてください。」


「もちろん、完遂させていただきます。」


サクは笑いながら、再び書類に目を向けた。

レイも自分の書類の処理を始める。


ふと、サクがレイに向き直った。


「レイ様、話は変わりますが、落石事故の犯人が捕まったと以前、話されてましたよね。

処刑の日程は決まったんですか?」


レイは顔を上げた。


「まだセキ様の返事待ちです。何かありましたか?」


「いえ、俺の弟も被害にあったので、どんな人か気になっただけです。

失礼いたしました。」


サクが頭を下げると、レイは首を振った。


「気にしていません。

私も気になっている件なので……ですが、もうすぐだと思います。


セキ様が近いうちに裁判所に戻ると病院側から連絡があったので。」


「退院ですか?」


「はい。そうです。

通院はまだ必要みたいですが……戻ってくるんです。」


セキの事を話すレイの口元は緩んでいる。


「また、赤くなってますよ。」


「えっ!?」


サクがニヤリと笑う。


「冗談です。」


「し……仕事してください!!」


真っ赤になって怒るレイに、サクはさらに笑った。


「すみません。承知いたしました。」


「本当に……お願いしますよ!」


レイが小さく咳払いするのを、サクは笑いを堪えながら書類に視線を戻した。

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