↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君といきたい ー不要品AIと小さなフクロウの旅ー  作者: yunimituki
第5章ー落石事故と残されたものー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/160

第5章-89 椅子のフクと床の僕

ガーディと僕は床に座った。


フクだけが椅子に座っている。


「床でごめんなさい。

ガーディさんが座れる椅子が無くて……。」


「問題ありません。

それより、ゼロユイさんは座らないのですか?

フクさんは座っていますが。」


ガーディは椅子の上のフクを見る。

フクは立ち上がり、嘴を上げ堂々としたポーズをとった。


「フクは……フクだから……。」


ガーディは頷いた。


「そうですか。

フクさんの方が偉いんですね。」


「ホウッ!」


フクは満足そうに鳴いた。


僕はため息をはいた。


「それより、ガーディさん。

どうして来てくれたの?

手紙とかでも良かったのに……病み上がりなのに大丈夫?」


「足は多少動かしづらいですが、慣れたので問題ありません。

研磨も職人さんが頑張ってくれました。」


ガーディは自身の体に手を当てた。

前回よりも、金属は滑らかになっている。


「今日はお礼と、ゼロユイさんに聞きたいことがあり伺いました。」


「僕に聞きたいこと?」


思わず目をぱちくりとさせた。

ガーディは一呼吸おいて、話を続けた。


「先ほど、私の恋人に会って来ました。

恋人からは、ゼロユイさんという子供が、手紙を書くのを手伝ってくれたと話していました。


フィナがいる場所は、お嬢様の家です。

ゼロユイさんは、お嬢様の家の出入りを許されてるのですか?」


ガーディの言葉に体が震えた。


椅子に座るフクを抱き上げ、玄関の方へ下がった。


「ガイさんや、セキさんに言われて来たの?」


ガーディは首を傾げた。


「何故、ガイ隊長やセキ様の話が出てくるのか、分かりませんが……。


もし、お嬢様に許されているのなら、一緒に行けないか相談に来たんです。


フィナが会いたがっているので。」


ガーディの言葉に、肩の力が抜けた。


フクは僕の顔を覗き込んでいる。


「よ……良かった。

ガーディさんにまで疑われてるのかと思った。」


「疑われる?どういう事ですか?」


僕はコウに誘われてセキに会いに行き、お嬢様の関係者かと質問攻めにあった事を話した。


ガーディは頷きながらも、最後まで静かに話を聞いてくれた。


「僕だって分からないんだ。

どうやってあの家に行けたのかも、お嬢様がどんな人なのかも……。」


グッと唇を噛み締める。

ガーディは座ったまま、僕を引き寄せ、膝の上に座らせた。


フクはトコトコと僕の膝に乗ってきた。


「話してくれてありがとうございます。

確かにあの家は不思議な事が起きる場所ですが、きっと何か理由があるはずです。


良かったら、私と一緒にお嬢様に会いに行きませんか?

何か分かるかもしれません。」


僕はガーディの腕をしっかりと握りしめた。


「何か分かるなら行きたいけど……。

ガーディさん、お嬢様ってどんな人?

裁判長が気にする人なんて想像もつかないよ。」


ガーディは僕の頭をゆっくりと撫でた。


「セキ様と深い繋がりがありそうですが、私にもよく分かりません。

お嬢様はほとんど家から出る方でもないですし……。


ただ、口調は強いですが、優しい方です。

フィナが喜ぶからと、私が家に入るのを許してくれています。


あと、ぬいぐるみとケーキが好きなんだそうです。」


僕は少し表情を緩ませた。


「そうなんだ。優しいんだね。

フィナさんとお嬢様は2人で住んでるの?」


「いえ、ニャアという生き物と、リュウさんという男性がいらっしゃいます。

あとは、何人か私のように出入りしているようですが、ほとんどお会いした事はありません。」


「ニャアって黒い猫の事だよね?

尻尾が2本あったけど……いきなり飛びかかって来て怖かったよ。」


ガーディは僕の頭を撫で続けた。


「大丈夫です。

ニャアは警戒心が強いんですが、慣れれば攻撃されません。


そういえば、あの家にはコウ様も出入りしています。


昔、セキ様がお嬢様に紹介したらしいです。」


「へっ?」


体を捻ってガーディを見た。


「冗談だよね?

だって、フィナさんの事話した時、コウさん知らないみたいな反応で……。」


「それは、おかしいです。

何度も会っているはずです。」


体が硬直した。

首をゆっくりと振る。


「ごめん……何も考えたくない。」


「そうですか。

フィナにはまた機会があればと伝えておきます。」


ガーディは僕が膝から降りるまで、少しも体を動かさなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。