第5章-83 公開処刑会議
ゼロユイとコウが休憩室でお茶をしていた頃。
ーセキとガイの病室ー
セキはベッドから上体を起こし、レイから届いた手紙を読んでいた。
その頭には包帯が巻かれている。
「ガイ、こっちに来い。落石事故の件だ。現場監督が白状したそうだ。」
「誠ですか!?」
ガイはギブスで固定された腕を押さえながら、ベッドから降り、セキから手紙を受け取った。
「現在、拘束中……か。
くそっ!こいつのせいで、何人の部下が死んだことか!!
こんな腕でなければ、今すぐにこいつに剣を振り下ろし、断末魔を叫ばせてやるというのに!!」
ガイはグシャリと手紙を握りつぶした。
セキに睨まれ、頭を下げた。
「申し訳ございません!
レイ様からの大切な手紙を!!」
「気にするな。ただの紙だ。
内容が読めれば問題はない。
そして、あまり叫ぶな……傷に響く。」
頭を抱えるセキに、ガイは再び謝罪をした。
「取り乱し失礼いたしました。
セキ様、この者をどうなさるおつもりですか?」
「決まっている。これだけの被害を出した。
私自ら公開処刑を行う。」
「セキ様自ら?それは……。」
ガイが何かを言いかけた時、遠くの方で微かに足音が聞こえた。セキはすぐに察した。
「ガイ、話はあとだ。私は寝る。
手紙はそこに置いておけ。」
セキはおもむろに布団を被り始めた。
「セキ様、ご気分でも?」
「違う。コウが来る。お前が対応しろ。
あいつは最近、寝ろだの、検診だのと、鬱陶しい。」
「そんな、セキ様ともあろうお方が逃げるのですか?」
セキはため息をつき、ガイに言い放った。
「医療関係でコウに意見するのは不利だ。
お前も知っているだろう?
しかも、ここはコウの病院だ。
1番安全だが、1番分が悪い。」
「確かにそうですが……。
セキ様?あの、セキ……様?」
セキは寝たふりを決め込むと、ピタリと動かなくなった。
ガイは首を軽く横に振りながら、自分のベッドへと戻っていった。




