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君といきたい ー不要品AIと小さなフクロウの旅ー  作者: yunimituki
第5章ー落石事故と残されたものー

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第5章-77 2人の病室

ーコウの病院ー


副裁判長のレイは馬車でコウの病院に到着した。

病院の裏口に周り鈴を鳴らした。


コウが出迎える。


「レイさん、よく来てくださいました。

あまり顔色が良くないようですね。」


レイはコウにお辞儀をした。


レイの目元には薄いクマが出ている。


「心配ありがとうございます。

それより、セキ様達のご容体は?」


「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。

ガイさんはまだかかりますが、セキさんは1ヶ月くらい安静にすれば回復します。

病室まで案内しますね。」


コウはレイを連れ病院内を歩いた。


「セキさんは、ガイさんと同じ病室にいるんですよ。」


「ガイさんと同じ?」


「ええ、急な話でしたから、セキさん用の病室がすぐ用意出来なかったんです。


用意が出来次第、移動予定ですが……。

僕はお二人が一緒でも良いと思っています。


ガイさんが気疲れしなければの話ですけどね。」


コウは病院の奥にある扉の前で立ち止まった。


表札にはセキとガイの記載がある。


コウは扉を軽く叩いた。


「セキさん、ガイさん。

レイさんが来てくださいました。」


室内に入ったレイは、ロビーのような広さと豪華さに驚いた。


左右に1つずつベッドが配置されている。


右にはガイがベッドに座り、

左にはセキが静かに眠っていた。


ガイがベッドから立ち上がり、腕を押さえながら、レイの前に膝をついた。


「レイ様、わざわざお越しいただきありがとうございます。

セキ様の調査に立ち会えず、守る事すら叶わず、申し訳ございません。」


「そんな……ガイさん。顔をあげてください。

ガイさんのせいじゃありません。

私だって、セキ様を止められなかったのですから。」


やり取りを見ていたコウは、笑顔で2人の間に入った。


「出来なかった事を話すのはやめましょう。

ほら、見てください。

話題にされてる本人は、スヤスヤ寝ているんですから。」


コウがセキのベッドに向けて手を差し出すと、ベッドから声がした。


「コウ、起きている。」


「おや、起きていましたか。気づきませんでした。」


コウがクスクスと笑う。

レイはセキのベッドに駆け寄った。


「セキ様、お加減は……。」


セキの顔を覗き込んだレイに、セキは鋭い瞳で睨みつけた。


「なぜ、ここに来た?」


「えっ……?」


「レイ、私はお前に裁判長代理を任せた。

なぜ裁判長席を開けている?

私の無様な姿でも見に来たのか?」


レイは体を抑えるかのように、拳を固くにぎった。


震える声でセキに返事をした。


「私は、ただセキ様が心配で……。」


「心配だと?

お前は医者ではない。


見ても何も出来ないのに、来る必要はない。

私が心配ならば、今すぐに裁判所に戻り業務を行え。


それがお前の責任であり、私への労いだ。」


「申し訳……ありません。かしこまりました。」


レイは小さくと返事をすると、頭を下げて病室をあとにした。


コウがため息をつく。


「僕はレイさんを見送ってきますね。」


コウは静かに扉を開け、レイの後を追っていった。


ガイがセキに声をかける。


「セキ様。恐れながら、レイ様はまだお若く経験も浅いお方です。

せめて、もう少し……。」


セキは手を軽くあげ、ガイの言葉を制した。


「ガイ、言いたい事は分かる。

だが、若いからと甘えさせてばかりでは意味がない。

特に今の現状ではな……お前も分かっているはずだ。」


「失礼しました。」


ガイは頭を下げた。

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