第4章-72 明るい部屋(4章完結)
やっと部屋の前に着き、ドアノブに鍵を差し込んだ。
室内に入ると、部屋の明かりは全てついていた。
「なんで?僕、消したよね?
先生じゃないだろうし……。」
恐る恐る部屋の奥を覗く。
「誰か……いるの?」
だが、誰からも返事はなかった。
消し忘れかと思い始めた時に、頭の上にズシッと何かの重みを感じた。
「な、何!?」
思わず、頭の何かをガシッと掴んだ。
とても柔らかく温かい。
「ギー!!」
悲鳴のような鳴き声があがった。
「えっ!?」
掴んだものを目の前に持ってきた。
それは間違いなくフクだった。
掴まれて悶えている。
「フクだ!!
まだあの鳥達のところにいると思ってたよ。
帰ってきてくれたんだね!?」
フクをこれでもかと強く抱きしめた。
「本当に……本当に良かったよ。
ねえ、水浴びする?
疲れてるならTシャツ持って来て、巻いてあげるよ。
もしくは虹色の羽を咥えたい?
それとも……。」
「ギギー!!」
「あ、ごめん。嬉しくてつい……。」
フクを手から離す。
フクは大きく息を吸ったり吐いたりしている。
「ごめんね。だけど、ありがとう。
フクがいると部屋が温かいし、明るいよ。」
「ホッ……ホウッ!」
フクは呼吸を整え、強く鳴いた。
今度は優しく抱っこした。
「フク、一緒にお風呂入ろう。
僕、たくさん話したい事があるんだ。」
フクは僕の体に、顔をピトリとくっつけた。




