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君といきたい ー不要品AIと小さなフクロウの旅ー  作者: yunimituki


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第3章-49 誘惑のプレゼント

コウはバッグを部屋の隅に置き、再び台所へと入っていった。


「少し待っててくださいね。」


そう言うと、コウは鍋つかみをはめ、温かそうな魚のスープを持ってきた。


「クイズお疲れ様でした。

お腹が空いたでしょう?

お口に合えば良いのですが。」


スープの中は色とりどりの野菜が魚を彩っている。


コウはスープを1杯よそった。


「どうぞ。」


「ありがとう。綺麗だね。」


「フフッ、ありがとうございます。

さあ、召し上がれ。」


スープをスプーンで掬い口に入れてみた。

分解されてしまうのに、不思議と香りで満足できた。


「これ、好きだな。」


スープを次々に口に運ぶ。


コウはニコニコしている。

だが、食べ進めていくうちに、コウの顔が少し曇った。


「変わった食べ方をするんですね。

あまり噛んでいませんし、飲み込み方が甘いような……。」


思わず手が止まる。

コウは僕の頬を両手で包み込んだ。


「口を開けていただけますか?」


少し躊躇したが、ゆっくりと口を開けた。

コウが口内を覗き込んできた。


「歯に異常は無いようですね。

舌を出してください……問題なさそうですね。

喉も腫れてませんし、唾液もある。」


コウは僕の頬から手を離した。


「すみません。僕の勘違いだったようです。

ですが、あなたはあまり噛んでいないようですね。

柔らかい物も、きちんと噛んでから飲み込まないとダメですよ。」


「うん、気をつけるよ。」


何度も頷きながら、必死で噛んだ。


コウは満足そうに見ていた。


「偉いですよ。」


コウは自分用のスープをよそい、ゆっくりと飲みはじめた。


「ところで、ゼロユイさん。

貴方に相談なのですが、今度僕を手伝っていただけませんか?

もちろん、僕の助手として。」


手が止まった。

スープは口の中で分解され、淡い香りだけが残った。


「手伝う?横で見るんじゃなくて?

僕……昨日、注射器割ったばかりだし、役に立てないよ。」


戸惑う僕にコウが笑った。


「あの時は、ガイさんの声に驚いただけでしょう?

道具自体に、間違いはありませんでした。

あの時のように、道具を正確に出し、僕に渡す。

それだけです。」


「でも、働けるのは成人してからって習ったよ。」


「よく勉強なさってますね。

もちろん、成人していない方を働かすのは、法律違反です。

ですが、お手伝いやボランティアとして、動いてもらう程度なら問題ありません。」


コウの顔を見る。

とても真剣だった。


「……平気なの?本当に、僕にも出来るかな?」


「ええ、あなたの実力はさっきのクイズで見させていただきました。


それに、お小遣いやお礼を渡す事も出来ます。


学校からの支給は少ないでしょう?

貴方の大切な人達に、もっと質の良いプレゼントを買うことも出来ますよ。」


「……プレゼント。」


思わず息を呑んだ。


「僕、やってみたい。」


コウは優雅に微笑み、また一口スープを飲んだ。

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