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君といきたい ー不要品AIと小さなフクロウの旅ー  作者: yunimituki


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第3章-45 フクのドヤ顔

僕はガイの社宅を出た後、サクと共に、サクの社宅へと向かっていた。


サクは軽く頭をかいた。


「まさか、コウ様にお呼ばれされるなんてな。

ゼロユイ。お前、本当にどうなってるんだ?」


僕は歩きながら、コウに渡された1枚の紙を何度も見返した。


紙にはコウの家の住所と地図が書かれている。


「……分からない。どうしてだろ。」


「まあ、行かなきゃ分からないし、行けば分かるだろ。」


サクはそう言うと、少しスピードを早めた。


「とにかく、今は早く戻ろう。

フクが心配する。いや、怒ってるかもな。」


「うん!」


サクの歩幅に合わせようと、足をどんどん早めていく。


息が上がってきた頃、サクの社宅の扉の前で、鎧姿の男が座っているのが見えた。


「ガーディさんだ!!」


声に反応したガーディは僕の方を向いた。


走ってガーディの腕にしがみつく。


カチャリと首が動いた。


「ゼロユイさん。なぜここに?」


サクが軽く笑う。


「ガーディ、来てたのか。

ゼロユイはな、俺たちにプレゼントを届けに来たんだ。

まあ、かなり遠回りで、貴重な大冒険になったけどな。」


「……プレゼント?大冒険?

どういう意味でしょうか。」


「話は部屋でしよう。

ドアを開けるから動いてくれ。」


ガーディは首を傾けながらも、僕を抱き上げ扉の前から離れた。


金属の冷たい感触が懐かしかった。


サクが扉を開ける。


中からビリビリと変な音が聞こえてきた。


僕はガーディの胸を叩いた。


「ガーディさん、おろして!

部屋の中にフクがいるんだ!!」


「フクさんもいらっしゃるのですか?」


ガーディが僕をそっと降ろした。


僕は急いで部屋の中へ入り、フクを探した。


「フク、戻ったよ!

この音どうしたの?大丈夫!?」


寝室の扉が僅かに開いている。


フクの尾羽がチラリと見えた。


扉を開けると、フクが2本のペンが入った紙袋をビリビリに引き裂いていた。


「え?フ……フク?ちょっと、何してるの?」


止めようとする僕を無視して、フクはペンを両足に1本ずつ掴み、扉の隙間からリビングへ飛んだ。


「待って!」


フクを追いかける。


フクはサクとガーディを見つけると、ガーディの頭の上にシルバーのペンを落とし、サクの肩の上にシャンパンゴールドのペンを落とした。


2本のペンが、カランっと音を立てて床に転がる。


フクはテーブルの上に飛び乗った。


「ホウッ!」


唖然とするガーディとサクに向かって、力強く鳴いた。


2人はしばらく黙っていたが、サクが笑い始める。


「おい……ハハッ……フク、渡し方……雑すぎるだろ……。」


ガーディがハッとしたようにペンを拾い、フクに頭を下げた。


「フクさん。

ありがとうございます。」


フクは満足そうに胸を張っている。


「そんな……。

僕も一緒に渡したかったのに……。」


落胆する僕を見て、サクはペンを拾い上げた。


「ゼロユイも、ありがとな。」


サクの優しさに僕はひたすら頷いた。

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