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君といきたい ー不要品AIと小さなフクロウの旅ー  作者: yunimituki


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第3章-38 膝をつく

コウと共に事務員の社宅まで来た。

サクの部屋の近くにつれ、自然と足が早くなった。


「確か、この近くを曲がったところだから……そう、あれ!あの角だよ!」


コウの手を離し、小走りにかけた。


「そんなに急ぐと転んでしまいますよ。」


後ろからコウの笑い声がするが、急いで角を曲がる。


その時、硬い何かにぶつかった。


「うわっ!」


弾き飛ばされるように、尻餅をつく。


前を見ると、ガイが立っている。


「またお前さんか…なぜ、ここに?

門番担当はいったい何をしているんだ。」


「あ、あの……。」


体が震えて声が出ない。


「今度はここに何の用だ?

不法侵入ならば容赦はしないと、前に言ったはずだ。」


ガイの手が僕にのびる。

簡単に体を担がれてしまった。


「このまま連行し話を聞く。」


「離して、お願い!

バッグがひっくり返っちゃう!」


「バッグ?何を言っている?離すと思うか?」


ガイの体から抜け出そうと、手足をバタつかせるが、ガイの体はびくともしない。


ふいにコウの声がした。


「ガイさん。体調はいかがですか。」


ガイの足がピタリと止まった。


「コ……コウ様、何故こちらに?」


ガイの体が僅かに震えた。


「何故こちらに……ですか?

貴方が健康診断に来ないので、僕の方から伺ったまでです。


まったく、セキさんといい、ガイさんといい、上層部はどうなっているのですか?


レイさんくらいしか来てくださらないではありませんか。」


ガイは一瞬眉間に皺を寄せたが、僕を地面に下ろしコウを真正面から見据えた。


「忘れていたわけではありません。

ただ任務の都合上……。」


「言い訳ですか?

良いでしょう。ぜひ、お聞かせください。」


コウは穏やかに笑っている。

ガイは歯を食いしばり、剣の柄をギリギリと音が鳴るくらい強く握った。


突然、ガイは剣を抜き、コウの前に勢いよく突き刺した。


僕は驚いて後退したが、コウは平然としている。


ガイは剣の柄を握りながら、片膝を地面につけ跪いた。


「コウ様、たいへん申し訳ありません。

全ては私の管理不足でございます。」


2人を同時に見ていると、ガイが小さな子供のように見えてきた。


コウはガイの手の上に自身の手を静かに重ねた。


「そこまで求めてはいませんでした。

ただ、ガイさんが倒れてしまっては、部下も、セキさんも、レイさんも困ってしまいます。」


「申し訳ございません。肝に銘じます。」


「後ほどにガイさんの部屋に伺わせていただきますから、待機をお願いします。」


コウは僕の肩をそっと抱き寄せた。


「それと、この子は不法侵入ではありません。

今日の僕の助手です。

優しく扱ってあげてくださいね。」


「助手……?」


ガイは顔をあげた。


コウは笑っている。


「そうですが、何か?」


「いえ、失礼いたしました。

待機させていただきます。」


ガイは再び頭を深く下げた。

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