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君といきたい ー不要品AIと小さなフクロウの旅ー  作者: yunimituki


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第3章-37 押し問答成功

コウと共に門の前まで戻ってきた。

先ほどまで僕が押し問答していた警備隊と、コウが対峙する。


警備隊が慌てている。


「コウ様、それは流石に……。」


「何を言っているんです?

この子は僕の大切な助手です。

助手は連れてきて良いと聞いています。

もちろん、通してくださいますよね?」


「しかし、その子供はついさっき……。」


「僕の助手に何か問題が?」


警備隊は遂に折れ、項垂れるように頭を下げた。


「……かしこまりました。

コウ様がそう仰るのなら……。」


「ありがとうございます。

さあ、一緒に診察に参りましょう。」


コウは僕の手を引いて歩いた。

僕もしっかりと手を握り返した。


「コウさんはお医者さんだったんだね。

どうして、僕を助けてくれたの?」


コウは穏やかに笑い、僕が見せた2本のペンについて話し出した。


「あなたの見せてくれた、銀色のペンはとても頑丈でした。

きっと鎧の方が強く握っても大丈夫なように選んだのでしょう。


そして、淡い金色のペンは、とても握りやすく品があります。

事務作業の方には非常に使いやすそうです。」


コウの言葉に思わず目を見開いた。

自分が選んだ理由そのものだった。


「ペン1本で、こんなに相手を思いやれる人の贈り物が届かないなんて、悲しいじゃありませんか。


違っていたらごめんなさいね。

それと、貴方には、穴場を教えていただきましたから、そのお礼ですよ。」


コウがフワリと笑った。

その笑顔に先ほどまでの不安が、ゆっくりと消えていくような気がした。


「それで、お渡ししたい相手はどちらですか?

早めに来たので、時間はあります。

焦らず参りましょう。」


「ありがとう。確か……こっち!」


僕は記憶を頼りに、1番初めに助けてくれたガーディの部屋へ足早に向かった。

だんだんと、部屋が見えてくる。


「あの部屋だよ、コウさん。」


指を差しコウにガーディの社宅の場所を教える。

コウもスピードを早めて付いてきてくれた。


だが、扉の前には“任務中”と書かれた看板がかかっている。


「そんな……。」


肩を落とし、コウの前に戻る。


「ごめんなさい。任務中でいないみたい。」


コウは扉の前に立ち、看板を指差した。


「すごいですね。

もう“任務中“が読めるのですか?

下級生では習わない筈ですが。」


「僕、飛び級で上級クラスにいるんだ。

勉強しか出来ないけど……。」


俯くと、コウがしゃがんでハンカチを差し出してきた。

僕は不思議に思って顔を上げる。


「すみません。

貴方が泣いているように見えたので。」


「僕、泣いてないよ。」


コウはハンカチを僕の手に載せた。


「いいえ、泣いてますよ。

それに、僕は貴方が勉強以外に何も出来ないとは思えません。」


思わずハンカチをギュッと握りしめた。


「……ありがとう。」


お礼を言うと、コウはゆっくりと立ち上がり、手を差し出した。


「さあ、行きましょう。

もう1人会いたい方がいるのでしょう?」


「うん。いるよ。」


コウの手をそっと握った。


「あっちだよ。」


コウと並んで歩いた。

スピードを合わせてくれているのが分かる。


ずっと手を離したくない。

そう思えるほどコウの手は優しく温かかった。

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