第2章-33 サクとガーディへ
僕が目を覚ますと、フクがTシャツに包まれたまま眠っていた。
フクの頭をなでる。
フクは嘴をもごもごと動かしたが、起きる気配はない。
「今日から学校は二連休だから……一緒にいようね。」
そう声をかけた、その時だった。
「ゼロユイ、起きてるか?」
玄関の方から、教員の声が届いた。
「なんだろう?」
僕はフクに布団を被せて隠した。
玄関へ急ぎ、扉を開ける。
「先生……どうしたの?」
教員は僕の顔を見ると、ほっとしたように笑った。
「良かった。顔色は悪くないな。
昨日、ガイ隊長に会ってから、少し様子がおかしかっただろ?
それで、心配になって様子を見に来たんだ。」
「……ありがとう。」
二人で、短く笑い合う。
教員はしゃがみ込み、ポケットから封筒を取り出した。
「それとな、ゼロユイ。
これは学校からの支給金だ。」
「……お金?」
「そうだ。
本来なら、もう少し学年が上がってから渡すんだが、ゼロユイは計算もできるし、外を歩いた経験もある。
会議で相談して、渡してもいいと決まったんだ。」
僕は、両手で封筒を受け取った。
「大切に使うね。」
「ああ、お金を使うのも勉強だ。
よく考えて使いなさい。
じゃあ、ゆっくり休むんだよ。」
教員はそう言って手を振り、扉を閉めた。
僕は寝室に戻り、フクを見る。
フクは布団から這い出し、体を伸ばして大きなあくびをしていた。
「フク、おはよう。」
「ホウッ」
僕はフクに封筒を見せた。
フクは首を傾げる。
「見て。お金をもらったよ。
何に使おうか?」
フクはじっと封筒を見つめたあと、サクからもらったTシャツを片足で掴んだ。
「ピィッ!」
「……え?
Tシャツが、もう一枚欲しいの?」
「ギー!」
威嚇された。
「……ち、違うんだ……。」
しばらく、言葉にならないやり取りが続いた。
「もしかして、サクさんに何か買いたい……とか?」
「ホウッ!」
フクは力強く鳴いた。
僕も、ゆっくりと頷く。
「そっか……。
Tシャツのお礼、しないとね。」
フクを見る。
「じゃあ、プレゼントを探しに行こうよ。
もちろん、ガーディさんの分も。」
「ピィッ!」
フクは嬉しそうに翼を広げた。




