第2章-28 異質な生徒
目を覚ますと、腕の中にフクがいた。
外を見ると、光る木が朝の光の中で静かに輝いている。
「今の……夢?」
フクをもう一度見た。
フクは細く目を開け、あくびをした。
だが、すぐにまた目を閉じて眠ってしまった。
フクをしっかりと抱きしめる。
「良かった。」
フクは少し息苦しそうに、嘴をカチカチと鳴らした。
フクをそっと布団に戻す。
「フク、留守番よろしくね。」
顔を洗い、着替えをした。
外に出ると、学校に向かう生徒がわらわらと歩いている。
年齢は自分と同じ六歳から、十五歳くらいまでさまざまだった。
「よし、行こう。」
学校から支給されたノートとペンをバッグに入れて、力強く歩き出した。
学校の門を通り、教室へと向かう。
いつもと違うバッグの重さに違和感を覚えながら、教室の扉を開けた。
そこには、外見が十三歳から十五歳くらいの生徒達がいた。
周囲がざわつく中、奥の椅子に腰を下ろした。
一人の生徒が近づいてくる。
「君……生まれたてだよね。教室間違えちゃった?」
他の生徒も集まってきた。
「えっ!? 生まれたてがいるの?
すごく可愛い子だね。」
「あー、教室って間違いやすいよね。
私も文字が読めなかった時、間違えた事あるよ。」
「確かに俺もある。分かりにくいんだよな。
るとか、らとか、ろとか。」
教室の生徒達がみんな僕に注目している。
僕は身を縮めた。
そんな時、一人の生徒が僕の前にしゃがんだ。
「ねえねえ、証明書を見せて。
クラスが書いてあるはずだから。
良かったら場所教えるよ。」
おずおずと証明書を見せる。
生徒達が「どこのクラス?」と覗き込む。
だが、証明書を見るなり生徒達の表情が変わった。
「あれ、合ってる。このクラスだ。」
「えっ……嘘でしょ? 先生のミス?」
「いや、普通こんなミスするか?
ちょっと待て。飛び級って書いてある。」
ざわめく生徒達の後ろから、あの教員が入ってきた。
「騒がしいぞ。
ほら、みんな近くの椅子かソファーに座りなさい。
ゼロユイは、こちらに来なさい。」
僕は教員の横に急いで移動した。
教員が教壇に立つと、生徒達は静かになった。
「今日から飛び級してきたゼロユイだ。
ゼロユイは抜群に頭は良いが、まだ家事や法律など理解していない部分がある。
体力も君たちに比べればまだ弱い。
迷惑をかけるかもしれないが、お互い補い合いながら励んでくれ。」
生徒達からざわめきが起きる。
「やべ……凄いやつと一緒になった。」
「えっ、私気を使うんだけど。」
「あの子、そんなに頭がいいの?」
様々な声が聞こえる。
「静かに。
ほら、ゼロユイ。
君も好きな席に座りなさい。授業を始めるよ。」
教員から離れ、他の生徒から離れた席に腰掛けた。
教員は今日のスケジュールを話し始めた。
「今日は、通常授業のあと、スペシャル講師が来る日だ。
警備隊のガイ隊長が、仕事について語ってくださる事になっている。
お越しになったら、気を引き締めて聞くように。」
生徒達は元気よく返事をしている。
僕だけは、目を丸くして固まっていた。




