第1章-22 不用品の名前(1章完結)
サクを起こさないように布団からそっと抜け出した。
空はうっすらと明るくなり始めている。
申請書を持ち、一人リビングに出た。
「ペン……どこかな?」
あたりを探していると、寝室から何かを引きずる音がした。
振り返ると、寝室からフクがTシャツを嘴で咥えながら、こちらに歩いてきている。
「ごめん。起こしちゃった?」
フクはTシャツを僕の足元に置くと、ふわりと近くのテーブルに飛び乗った。
そして、ペンケースを掴んで僕に手渡した。
「すごい……どうして分かったの?」
「ホウッ!」
力強い鳴き声に思わず笑みが浮かぶ。
「ありがとう。フク。
名前、書くから見ててね。」
ペンケースを開き、一本ペンを取り出した。
申請書の空欄に「ゼロユイ」と書いた。
「フク、おいで。」
フクは素直に僕の膝に乗ってきた。
ペンを床に置き、フクをTシャツで包む。
「あのね、フク。
これは借りた名前なんだ。
だけど、僕にとっては初めての名前……これからもよろしくね。」
「ピィッ」
「それでね、僕は明日から学校に行かないといけないんだって。
でも、フクは教室には連れていけないんだ。
……それに、フクは珍しいから、見つかったら捕まえられてしまうかもしれないし。」
「ギーッ!」
フクは突然暴れ出した。
包んでいるTシャツに皺が寄る。
フクをしっかりと抱きしめた。
「大丈夫だよ。
フクを孤独にはさせないよ。
学校に入学すると部屋が一人につき、一つ与えられるみたいだから。
だから、君はそこでお留守番。
どうしても嫌なら、僕がガーディさんやサクさんに預かってもらえないかお願いするから。」
フクは暴れるのをやめ、じっと僕の目を見た。
僕もフクの目を真っ直ぐに見つめながら、諭すように語りかける。
「僕、飛び級するよ。
飛び級をすると、自由な時間が増えるんだって。
それをフクとの時間に使うよ。」
フクは丸い目をさらに丸くした。
「僕と……一緒にいてくれる?」
フクは暫くじっとしていたが、嘴で軽く僕の指を咥えた。
こんにちは。作者です。
初めての後書きを書かせていただきます。
第1章「不用品の名前」完結いたしました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回は第1章が完結しましたので、2章の1作品目も投稿させていただきます。
そちらも読みに来ていただけたら嬉しいです。
さて、第2章は学校編……。
ではなく、ゼロユイが社会の制度や人間(主に大人)との関わりを描きます。
そして、キャラが増えたので、
今まで登場したキャラの名前や役割を記載しておきます。
宜しければ、整理にお使いください。
↓↓
◯裁判所
・セキ…裁判長
国で1番偉い人。
・レイ…副裁判長
国で2番目に偉い。中性的な男性。
主人公に「男?女?」と質問された人
・ガイ…警備隊長
主人公を疑って、フクに剣を抜いた男。
ガーディの上司。いかつい。
・ガーディ…警備隊員
主人公を保護した鎧姿の男。
サクの弟。ガイの部下。
フクロウにフクと名前をつけた。
・サク…事務員
主人公に名前の宿題を与えた男。
ガーディの兄でしっかり者。
◯電子世界
・青いのフクロウ…?
アサハユイのフクロウ
・アサハユイ/プロトタイプ0…AI
ゼロユイが誰かと呼んでいた人物。
主人公にフクを与えて旅立たせた
・ゼロユイ…主人公
最近、アサハユイから名前を借りた。
フクと一緒に旅をしている。
・フク…黄色いフクロウ
黄金の玉が変化した者。
主人公と一緒に旅をしている。
◯光る木の広場
・虹色の鳥
虹色に光る巨大な鳥。
羽を広げると4m級。警戒心が強い。
フクに羽を1枚あげた?
・白い鳥
虹色に光る巨大な鳥。
羽を広げると4m級。穏やか。
フクと優しく挨拶をした。
↓↓
改めてありがとうございます。
引き続き評価やコメント…応援していただけたら嬉しいです。




