第8章-160 あくびの夜
僕は買ったばかりの荷物を抱えて学校の寮に戻ってきた。
テーブルに買ったものを置き、バッグを開けた。
「寒かったね、フク。」
フクはバッグから飛び出し、僕の手にぴとりと体を寄せた。
「待っててね。」
僕は紙袋から買ったばかりのブランケットを取り出した。
真っ白だが、よく見ると葉っぱの刺繍が入っている。
「フクに毛布は大きすぎたから、ブランケットにしてみたよ。どうかな?」
フクはブランケットに乗ると、感触を確かめるように足踏みをした。
気に入ったのか、目を細めて座り込んだ。
「気持ちいい?
じゃあ、今日からこれを使って寝ようか。」
フクはじっと僕を見ると、再びバッグの中へ潜った。
「どうしたの?」
フクはズルズルとTシャツを引っ張り出した。
「もしかして、Tシャツと一緒に使いたいの?」
「ホウッ」
フクは元気よく鳴いた。
「じゃあ、そうしよう。
あとね、実は、もう1つあるんだ。
ほら、これ…小さな帽子だよ。
雑貨屋にあったんだ。お人形用なんだって。」
僕は小さな耳当てのついたニット帽を、フクの頭に被せた。
少しゆるいが、フクの頭にしっかりと乗っている。
フクは一瞬、驚いて目を丸くしたが、温かさに気付いたのか、だんだんと目を細めた。
「まだ寝たらダメだよ。
ポンチョを脱いで、お風呂に入らなきゃ……。」
僕がフクのポンチョを脱がそうとした時、フクが大きなあくびをした。
僕もつられてあくびが出た。
「やっぱり、寝ちゃおうか。」
僕はフクをTシャツとブランケットで包み、ベッドの上にそっと置いた。
「ホウッ……。」
フクはあくびをもう1度すると、瞼をゆっくりと閉じた。
僕は着替えをして、窓際に置いてあるランプを1番低い明かりにした。
ランプの隣では、虹色と白い羽が柔らかく輝いている。
フクの顔を見ると、完全に目を閉じて眠っていた。
「おやすみ、フク。また明日もよろしくね。」
そう呟き、僕は布団に潜り込んだ。




