第1章-13 成人年齢
バッグを背負い、サクと並んで裁判所の門に向かって歩いていた。
バッグの中には、Tシャツと虹色の羽、そしてフクロウが入っている。
Tシャツはサクが、フクロウ用にプレゼントしてくれた。
門の前に到着する。
昨夜見た時よりも明るい印象だ。
よく見ると裁判所の上部の壁には巨大な石が嵌め込まれ、静かに光っていた。
「あの石……光ってる。」
石を指差しながらサクに言う。
サクは頷いた。
「ああ、あれか。
あれは、時間によって色が変わる不思議な石だ。全ての建物についてるよ。
アクセサリーとかに使われてたりもする。」
「不思議な石?昨日、気づかなかったよ。」
「夜はグレーとか黒に光るから目立たないんだよ。」
僕は改めて石を見た。
光る木と、大きな鳥たちのことを思い出す。
「どうして建物についてるの?」
「昔は時計の代わりに使われてたらしいから、その名残じゃないか?
まあ、飾りだと思っとけ。
それより、手続きのことだが……。」
「うん。教えて。」
サクの話によると、子供が裁判所で手続きをすると、衣食住が保障され、学校の寮に入れるらしい。
学校では、文字の読み書きや計算、法律のことから、家事のことを学び、お金も成績により一定額をもらえるとのことだった。
「まあ、君は頭が良いから飛び級かもな。
仕事ができるのは早くて10年後、成人してからだ。
飛び級しておけば、自由時間が増える。」
「10歳で成人なの!?」
驚く僕にサクは飄々と答える。
「まあ、早いとそうなる。
わざと卒業延期して遊ぶ奴もいる。
俺はそうした。」
「そ……そうなんだ。」
「まあ、君もそうなるんじゃないか?」
サクはそう言うと、裁判所の門を潜った。
一緒に潜ったが、潜る前より少しだけ空気が重くなった気がした。
裁判所の中はとても広く、想像よりも明るい印象だった。
柔らかそうなソファーが置かれ、観葉植物もあり、ホテルのロビーのようにも見える。
サクと一緒に受付に寄った。
受付の女性達が、サクを取り囲む。
「えっ? その子……まさかサクの子供?」
「ちょうど良かった。サク、昨日の資料なんだけど……。」
「あれ、今日は休みじゃなかったっけ?」
サクは質問攻めを苦笑いで返している。
ふと、背中のバッグにいるフクロウが動いたのを感じた。
「どうしたの?」
僕がバッグをおろそうとすると、ガイが目の前を歩いていくのが見えた。
無意識にサクの足にしがみつく。
サクは不思議な顔をしたが、ガイを見て納得した様子で、1枚の書類を差し出してきた。
「ガイ隊長のことは気にしないで良い。
それより……名前、どうする?」
「な……名前?」
僕はサクと書類を交互に見た。




