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第0稿:絶海の図書館にて

ここではない場所。

いまではない時代。


絶海の孤島に、その図書館はある。

訪れる者はほとんどおらず、渡る術を知る者も少ない。


ただ、劣化防止の魔法が幾重にも施された『本』だけが眠る。


ここは、ある種の墓所だ。


滅びた国。

絶えた民族。

既に使う者のいない言語。


亡霊のような書物が、お前を待っている。


ここに居るならば、お前も招かれたのだろう。

この場所に。

 ―― R. L. A



あなたが気が付いた時には、この『図書館』にいた。


あなたがここを『図書館』だと判断したのは、すり鉢状の空間一面に、書架が立ち並んでいたからだ。

天井高くまで伸びた壁には、隙間なく書架が埋め込まれている。


すり鉢の底。

書見台には、『R. L. A』なる人物の署名付きメモが残されているのみ。


その『署名』自体、あなたは知らない文字だった。

しかし、『意味』はわかる。

それも、正確に。


それは確信だった。


あなたの呼吸。

衣擦れ。


それ以外、耳が痛くなるような静寂に包まれている。


あなたは、まず現状を知るために、目についた本に手を伸ばした。

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