表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚期逃したので侍女として働いています。え⁉︎ 地味な私が歳下の公爵令息に溺愛されるんですか⁉︎  作者: 水月華


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/44

39.帰宅

「店主、これは模様が違うものがあるが、何か理由があるのか?」

「は、はい。模様によってそれぞれ意味を込めてあります。それは良縁や調和を意味するものです」

「ほう。意味があるのか」

「ほかにも気になるものがあればお答えします」


 エドワード様はランプシェードがかなりお気に召したらしく、そればかり見比べている。


 確かに明かりがついた状態はとても美しかった。それほど気に入ってくれたというのは、こちらも嬉しい。


「こちらの柄は?」

「こちらは魔除けの意味です」

「ふむ……」


 エドワード様は候補を2つに絞ったらしい。


 あまり悩んでいるようなら、アドバイスを……でも比べるものを見ている限り、上手いアドバイスが思いつかない。


 何せどちらもデザインもさることながら、意味も捨てがたいのだ。


 そしてジュリアの好みも、どちらも外れていない。ならばエドワード様の直観でも大丈夫そうだ。


 そんなことを考えていると、エドワード様は商品に指を差す。


「これを頂けるだろうか。プレゼント用に包装もお願いしたい」

「はい、かしこまりました」


 選んだのは、初めに見ていたランプシェードだ。


 というか、あれ? 私、これ必要だったかな。エドワード様、ほとんどご自分で決めていたし……。


 ほぼほぼ私がいる必要がなかった気がする。いやいや、店を案内したのは私だし、全くないわけではない……と思う。多分。


「どうぞ」

「ああ。感謝する」


 考えているうちに、会計まで済んでいたらしい。


「ジェイン、行こうか」

「……あ! はい」

「大丈夫か?」

「大丈夫です!」


 本音を言えば、また情けないところを見せてしまうことになるので、笑って誤魔化した。


 エドワード様と共に、店を出る。この後はどうしようかな。


 結構繊細な品ではあるから、あまり動き回っては壊してしまうかもしれない。


「エドワード様——」

「ジェイン——」


 話しかけようとすると、なんとエドワード様と被ってしまった。


「も、申し訳ありません、どうぞ」

「いや、ジェインの方が早かっただろう。ジェインから話してくれ」

「ですが」

「俺が良いと言っている」


 遠慮しあっていると、エドワード様にそう言われてしまった。


 そう言われたら、ほぼ命令なので従うしかない。


「わ、分かりました。その、ランプシェードが繊細なので、もう屋敷に戻った方が良いかと思いまして」

「…………そうだな。戻るか」


 今すっごい間があった。絶対、まだ戻る気はなかった。


 途端に申し訳なくなって、発言を取り消したくなる。


 けれどエドワード様は屋敷の方に向かって歩き出してしまったので、もうそれ以上言うことができなかった。


 先に歩くエドワード様を追いかける。少し後ろをついていく。


「……」

「……」


 どうしよう。なんだかすごく気まずい。


 ここは別の選択肢を提示するか。でもエドワード様が戻ることを了承したのに、また別の案を出すのも良くないと思うし、どうしよう。


「……ジェイン」

「はい」


 ぐるぐる考えていると、声を掛けられる。


 静かな、小さい声。なんだろう?


 少し前を歩くエドワード様の表情は分からない。


「……」


 エドワード様は私の名前を呼んで、何も言わない。まるで何を言おうか迷っている感じだ。


 さすがに少し後ろを歩いていると、エドワード様が何を考えているのか全く分からない。


 これはさすがにもう少しエドワード様に近づかないと。


 そう思って、歩調を早めようとして——ふと気が付いた。


「申し訳ありません、エドワード様。私としたことが、お荷物をお預かりしておりませんでした」


 そう言って手を差し出す。


 エドワード様は何故か、ビシリと固まった。


 手を差し出したまま、首を傾げる。


「……いや、俺が持つ。問題ない」


 そういうわけにもいかないと思うのだけれど。


 けれどふと思う。


 エドワード様、このままジュリアに渡したいのかな?


 確かに私がこのまま持っていれば、ジュリアに渡すとき不自然になりそうだ。


 でも戻ってすぐに渡せるかは分からないと思う。


 色々考えたけれど、エドワード様が私に渡す雰囲気がないので諦める。


「分かりました」

「行こう」


 エドワード様に言われ、今度こそ屋敷に戻った。



 ◇◇◇



 屋敷に戻ると、お父様とお兄様が出迎えてくれた。


「出迎えありがとうございます」

「いえいえ。どうでしたか?」

「やはりアトウッド伯爵家の家業は素晴らしいですね」

「そういっていただけて、光栄でございます」


 お父様とエドワード様が話しているのも見ていると、お兄様が近づいてきた。


「お兄様もありがとう」

「俺はたまたま通りがかっただけさ。ところで、どうだった?」

「ふふ。お父様と同じこと聞いてるよ?」

「いや、こう言うしかなくないか?」

「それはそうだけれど」


 私からも聞きたいということなのだろうけれど、少し面白い。


「うん、良いところを案内できて良かったよ。助けになれたかは別だけれど」

「案内しているだけで、十分助けになっているだろう。それに——」

「ジェフサ殿」

「おっと、失礼しました」


 何かを言おうとしたお兄様を、エドワード様が止める。


 なんだろう? いやに含みを感じるような?


「ジェインも楽しめたなら良かったよ」

「もちろん。改めて復興が進んでいるのが実感できたの。とても良かったよ」

「……そうだな」


 そういえばジュリアがいない。ジュリアがいないとプレゼント渡せないなあ。


「ジュリアは?」

「ああ。学園の友人とお茶会の約束があってな。前々からの約束だったから、そちらを優先してもらっている」

「そうなんだ」


 通りで朝から忙しそうにしていたわけだ。


 ほとんど話す暇なかったもんね。


「そういうことだそうなので、しばらくお待ちくださいね。エドワード様」

「ああ。……ん?」

「ジェイン?」


 何故かエドワード様だけでなく、お父様達まで首を傾げている。


 どうしたのか聞こうとしたけれど、丁度そのタイミングで侍女長がお父様を呼んだのでうやむやになってしまったのだった。

「面白かった!」「続きが読みたい!」と思ってくだされば広告下の⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎をポチッとお願いします!

いいね、ブクマもとても嬉しいです。


ランキングにも参加してみています!

良かったらポチッとしていってくれるととても励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ