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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 新年度の『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第二十五章 『魔法少女』の決めた誠の妻

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第163話 『人外魔法少女』の思いやりに見せかけた嫌がらせ

「でも本当に良かったです。茜さんは不死人で疲れを知らないから年中隊長室にいた隊長と同じようにほとんどこの隊舎に住み込みで仕事ばかりしてましたからね。隊長は不死人だから過労死しないでしょうし、あの人はしょっちゅうタバコを吸ったりエロ本を読んでいたりしてただ隊長室に居るだけですけど茜さんはその間ずっと端末で法術犯罪のデータ分析ばかりをしていたんですから。これまで病気にならなかったのが不思議なくらいです」


 誠は法術特捜の戦力強化に満足そうな笑顔を浮かべるランを見つめてそう言うが、そんな誠の視界の中でランの表情は悪意の満ちた笑みへと変化した。


「確かに、これまで全部自分でやってたデータ入力は原田が変わってくれるだろうから事務仕事は減るな。そして、捜査活動ではたいていの法術師をその実力でねじ伏せられる伊達が動くわけだから茜は法術特捜主席捜査官の職務にふさわしい『管理職』としての仕事に集中できる……しかし……アイツに伊達が操縦できると思うか?」


 いいことずくめのようなランの言葉が最後に微妙に茜に対する悪意の言葉で終わることに誠は寒気を感じていた。


「あの人は砲術系の法術による威力強化でミニガンの7.62㎜弾は一発で飛行戦車の正面装甲を撃ち抜くらしいですけど……茜さんもさすがに街中で誰が見てもテロリストにしか見えない格好で祥子さんに捜査に出るのは許さないでしょ?」


 誠はアメリアが初対面の時も手にミニガンを持っていたという祥子なら捜査なら必要だと駄々をこねてミニガンを意地でも持ち歩こうとする祥子を想像して苦笑いを浮かべた。


「ああ、そーだな。伊達は茜とは同い年の幼馴染で何でも言うことを聞くらしいからな。ミニガンを持ち歩くなと言えば持ち歩かねーだろーな。ただ、映画のようにウィンチェスターM1887や伊達のお守りのFNファイブセブンまで取り上げるのは無理だ。たぶん西園寺が伊達と射撃勝負をしよーとか言い出すだろーからそん時にそれがどんな意味を持つか理解すると良ーや。アタシはエリートが嫌いでね。茜の奴もエリートであんまり人間味を感じねーから正直気に入らねーから多少苦労してもらいてーと思ってたんだ……砲術系の法術師が撃つ12ゲージ弾や威力は貫徹力のみが売りの5.7mm弾がどういう二次被害を生むことになるか……これまでの山のような事務仕事の代わりに伊達が捜査に当たるたびに山のような被害報告書が茜の所に届くことになる……いい気味だ……」


 そう言ってランは悪意のこもった笑みを浮かべた。


 誠はそれを見て『特殊な部隊』の女性上司はほぼ全員人格に問題があると確信を抱くに至った。

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