第162話 法術特捜の新戦力『法術系魔法女ターミネーター』
『この人……というか『人外魔法少女』は僕を『漢』にする……いや、この場合は『漢』の夫にする為なら何人死者が出ても構わないと考えているみたいだな……この話題を続けると間違いなくこの『人外魔法少女』の犠牲者が出る……話を変えよう』
誠は目の前の人殺しを何とも思わない『人外魔法少女』をこれ以上刺激しても何の得にもならないことをなんとなく悟った。
「それにしても茜さんもこれで楽が出来ますよね……これまでは事件のプロファイリングをラーナさんと二人でやるのが精いっぱいでまともに法術師の相手もできない警察に事件を丸投げするばかりで……確かに法術犯罪の数は減ってますけど、昨日だって都内でビルを放火したパイロキネシストが大暴れしたのに東都警察の対法術部隊が出動して大騒ぎになったじゃないですか。あの対法術部隊って役に立ってるんですか?あの人達空が飛べるのと僕と同程度の法術弾で犯人を威嚇する……というか昨日の事件では逆に犯人を逆上させただけで結局SATの狙撃犯がその犯人の肩を撃ち抜いて動けなくなったところを取り押さえたって……結局何の役にも立って無いじゃないですか?その点、祥子さんは砲術系の法術が使える法術師!そして千代さんはあの暴走ターミネーターの世話をしてきたということはそのフォローとか事務仕事とか得意なんですよね。これで僕達が駆り出されることも少なくなるでしょうからいいことずくめですよ!」
これ以上『人外魔法少女』の被害者は出したくない。その一念で誠は明るい調子を作ってそう言った。
「まーな。正直、茜の伸びしろは知れてる。あと半年もやればたぶんオメーでも茜と互角にやれるようになる。ただ、自分の能力をよく理解してねー法術犯罪者が暴れだしたら圧倒的な実力でそれをねじ伏せる必要がある。今のところ茜でも出来る程度の法術師しか暴れてねーがネットではすでに法術師には相当な化け物クラスの能力を持った人間がいるなんて言うことは常識になってる。そいつ等が暴れだしたら茜じゃどーしよーもねー。攻撃的な力のないラーナはそもそも戦力にならねーしな。その点、伊達は間違いなく戦力になる。そして原田も同じ砲術系を使えるが伊達ほどじゃねーが茜の遥か上を行く。特に伊達は海軍で法術についての情報を得ることができるレベルの高官の間では日野と並ぶ切り札と言える法術師だった。まーいち早く法術の軍事利用の停止を宣言した甲武だから元々海軍省詰めの日野は良いとして、『最前線こそ女の戦場』がモットーの伊達がそれを面白く思うわけがねー。だから、伊達は軍を辞めて甲武浪人になったわけだが、それをうちで拾ったわけだ。まったくもっていい人材を甲武海軍は提供してくれるな……どっちもドMの露出狂の変態と言うのはいただけねーがな」
ランはきっちりまるでかえでのような下ネタで話題を落として誠の笑いを誘った。




