第158話 新たなる熟女の『親子丼』の誘い
「まったく、『女独眼竜』の自分勝手には本当に困ったものだわ……だから『サムライ』は嫌いなのよ」
鷹司はそう言うと祥子が引き裂いた婚姻届のちぎれた紙を拾い始めた。
「僕も手伝います!」
誠も空調で離れた位置に飛んだ紙を拾い集める。そんな誠を神を拾い集める手を止めた鷹司は好意的な目で見つめた。
「さすがかえで君の選んだ人ね、誠君は。私の別れた宿六とは大違い。ますます気に入ったわ……たしかにあの『女独眼竜』の言う通りこれは紙にしか過ぎない……でも、そこには私達の心が籠っている……そうして今の瞬間もかえで君の選択が正しかったことを私はよく理解したわ」
そう言って最後の紙の切れ端を拾った誠の手を鷹司は握ってきた。一瞬ドキリとしてその厳しさとやさしさの混じった鷹司の妖艶な瞳に惹きつけられる。
「でも、これだけの人数の署名と判子を集めるなんてもう無理だからこの話は……」
なんとか滅茶苦茶な境遇から逃げる機会をうかがっていた誠はそう口にしたが、鷹司は静かに首を横に振った。
「いいえ、あんな『女独眼竜』や『殺人狂』の藤太姫に誠君を任せるわけにはいきません!今、誠君が二人の凶悪なサイボーグに命の危機に瀕していると私達が認識を共有できればいくらでも書類なんて用意できますよ。紙は所詮紙。何枚でも作ろうと思えば作れるのだから」
鷹司はそう言うと誠にさらに身体を押し付けてくる。その手はいつの間にか誠の股間にたどり着いていた。
「25センチを超えればそれだけで売りになるというのに30センチを超える……こんなものを手放してなるものですか!あの宿六の12センチとの違いはかえで君の作ったあれで味わってるから……たぶん素敵な愛を繰り広げられると思うの……」
完全にセクハラだ。誠はこの隊に来る誠に興味を持つ地球人の血を引く女性は意地でも誠にセクハラをしないと気が済まないのかと呆れつつも、胸を押し付けて誠の手をそこに導く鷹司を見ながら膨らみつつある股間が情けなかった。
そこで大きな咳払いが響いた。
この部屋では相変わらず機動部隊長の席でどう見ても8歳女児のランがいつも通り将棋雑誌で何かの対局の再現をしているようだった。
「それじゃあ、誠君。私、たまにはかえで君を出し抜いてみたいのよ。今晩なんかどうかしら?風も楽しみにしてるわよ……三人で激しく燃えるのもいいんじゃない?」
ランに遠慮するように出口に向かう鷹司は誠の耳元でそんなことをささやいた。
「あのー、風ちゃんは小学生ですよね?僕を淫行容疑の犯罪者にしないでください」
そんな誠の弱音を聞いているのか居ないのか軽く手を上げると鷹司は機動部隊の詰め所から出て行った。




