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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 新年度の『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第二十三章 『女ターミネーター』とミニガン

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第157話 待ち受けていた部長と女ターミネーター

 誠が着替えを済ませていつも通り機動部隊の詰め所のドアを開けると誠の席の所に立つ意外な人物を目にした。


 それは腕を組んで誠を見つめる鷹司の姿だった。


「ごきげんよう、神前曹長……」


 鷹司は笑顔と言うわけでも怒っているというわけでもない、誠はそれとなく背後に見える機動部隊の隊長の巨大な机に座るランの姿を見て目を向けてみたがランは明らかに『自分は関係ねー!』と叫びたいような表情を浮かべていつものように将棋盤を見つめていた。


「おはようございます……鷹司部長」


 誠はあくまで明るく爽やかさを心掛けて鷹司に近づいて行ったが、鷹司の手に書類が持たれているのを見て嫌な予感がした。


 婚姻届。しかも誠と妻72人という異常な内容のそれを目にすると誠はげんなりする表情を浮かべた。


「こんな大事な書類を机の上に放置しておくなんて感心しないわね」


 鷹司はそう言って笑顔を浮かべた。そこにはその表情は怒りのそれに変わる前兆のようなものがあると誠は察した。


「すいません……内容がちょっと僕の常識からズレすぎていたんで動揺してしまって……」


 なんとか言い訳をしてごまかそうとする誠の心臓は鷹司の鋭い眼光に見つめられて激しく鼓動を打った。


「結婚というのは大事なことなんですよ。それこそ人生で一番大事な行事と言えます。それをこのように簡単に机の上にその書類を放置するというのは……誠君は私達には興味が無いのかしら?そんなことは無いですわよね?」


 鷹司の視線が次第に殺気を帯びていくのを感じた時だった。


「おう!茜は居るか!」


 そう言って何の前触れも無く乱入してきたのは祥子とその家臣である千代だった。二人は法術特捜の執務室と機動部隊の詰め所を完全に間違えているらしい。


 ただ、このタイミングでの女ターミネーターの闖入は逃げる口実を作るチャンスだと安どの息をついた。


 祥子の視線はすぐに鷹司に向かい、その顔は敵意に満ちたそれに変わった。


「おい、左大弁華子!アタシを面接で落とすとは良い度胸してるな!俺は俺の意思で誠のものになった!あの面接なんて無意味だったんだ!」


 そう言うとつかつかと鷹司に歩み寄った祥子は鷹司の手から婚姻届を奪い取った。


 祥子はその中の誠の妻の欄を隻眼の左目でじっと見つめる。


「祥子さん、その自分勝手な態度が誠君にはふさわしくないと……」


 そう言ってあくまで穏やかな対応を取ろうとする鷹司の顔を見てにんまりとした笑みを浮かべると祥子はその婚姻届をびりびりに引き裂いた。


「誠には俺とかえでが居ればいい!それ以外の女は不要だ!そんな女は俺が撃ち殺してやる!誠やちっちゃい中佐が居るってことはどうやらここは機動部隊の詰め所と言うことだな!分かった!千代行くぞ!」


 祥子は鷹司に威嚇するような左目の一瞥を向けた後、肩で風を切って詰め所を出て行った。


 とりあえず問題を先送りできるらしいということで誠は初めて祥子に感謝の念を抱いた。

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