第150話 どこまでも『面白ければそれでいい女』の野望
「まったく面倒くさいねえ……おい!陸奥守!そのミニガンをなんとかしろ!」
そう叫びながらかなめは玄関を出て行った。
カウラはほっと息をすると隣で靴を履くかえでとそれを見守るリンの姿を静かに見守っていた。
「今日も、運転は渡辺か?あのリムジンだと近道は通れないぞ。今の時間は大通りは渋滞する……どうする?」
そう言うカウラはたぶん同乗することになるであろうリムジンに付いて語った。
「ええ、大丈夫です。今日の産業道路の通行量は比較的少ないことは既に調べがついています。普通に走れば間に合うかと」
リンは淡々と磨き上げられた革靴を履いてネクタイを締め直すかえでを見ながらそう言ってカウラに返した。
「ベルガー大尉は心配性だね。それに華子さんはそんなに冷たい人物では無いよ。むしろ融通が利く女性だ。僕との愛の営みの時も僕は達しながらそんなことを感じていたし、達している彼女にもそんな姿を見ていることができた安心して良い」
かえでは昼間っから言う内容ではないことをさらりと言って玄関を出た。
誠はかえでがさわやかな笑顔で卑猥な会話をさも美しい景色を語るように話す姿は見慣れていたので玄関を出ていくかえでの後ろをリンと一緒に付いていった。
そのまま向かった駐車場には長大な社長を誇るリムジンと巨大な車体とその上に対シュツルム・パンツァー用ミサイル三基を堂々と乗せている黒い軍用車両ハンヴィーが停まっている。
「それにしてもだんだんこの駐車場がシュールな光景になって来たんですけど……アメリアさん。これで満足なんですか?」
誠は後ろでちょいちょいと誠の肩をつついては笑っているアメリアに振り向いてそう言った。
「うーん。満足では無いわね。もっと面白い車を愛車としている人が寮に来るともっと嬉しいかも。しかも、祥子ちゃんすら引くようなド変態の女の子で誠ちゃんに猛烈アタックを繰り返してくれるような状況になるとそれはそれでもっと面白く……」
「アンタは何をしたいんですか!僕をどうしたいんですか!人を性犯罪者に仕立て上げて楽しいですか?というか被害者がそうなることを望んでいるから性犯罪じゃないとか言う言い訳は通用しませんからね!祥子さんが望むような人が集まるところでそんな行為をしたらすぐに警官隊に取り囲まれます!」
アメリアの『面白ければそれでいい』の被害者がいつでも自分であることへの不満を誠は思い切りぶつけてみた。
「えーその方が面白いじゃない。最近かえでちゃんが常識の範囲内の変態に収まってきちゃって面白くなかったから刺激が欲しいと思っただけなのに……それよりアレ……誠ちゃんの出番よ。なんとかしないと本当に遅刻するわよ」
アメリアはそう言って自分に怒鳴りつけて来る誠の肩を叩きリムジンの報を指さした。




