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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 新年度の『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第二十章 『社会不適合女』増殖す

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第129話 社会不適合女達の不毛な論争

 誠はもう悟っていた。誠の周りの社会不適合女達には何を言っても無駄なのだと。


 誠は部屋に帰り、荷物を置いてそのままアメリアに頼まれていたエロゲの原画の仕上げを軽くすると夕食の時間になったので再び食堂に行った。


 そこでは密談を続けるかなめ、カウラ、リンの三人と彼女達の非常識行動の被害に遭うことを恐れて遠巻きで見守る寮生の姿が目に入ってきた。


「おい、神前。こっち来い!」


 相変わらず偉そうにかなめはそう言うがもっと先天的に偉そうな祥子の異常言動を見た後の誠には逆に日常が戻って来た安心できる光景に見えた。


 誠は笑顔を浮かべてそのまま三人の座るテーブルのかなめの隣の席に着いた。


 それを見ると図ったかのように寮母と言うより何度見てもメイドにしか見えない高橋以下のかえでの使用人たちが誠には特製精力増強メニューと他の三人には隊員達と同じ夕食のコース料理が並べられた。


「オメエ、そんなに童貞が捨ててえか?その相手がこの三人じゃ嫌か?それとも無理やり捨てるようにアタシに襲って欲しいか?」


 突然のかなめの発言に誠は口に含んだばかりのすっぽんエキススープを吹きかけるところだった。


「神前が私達に迫らないのは異常だというのが我々の結論だ。神前はアメリアが望むような男同士の愛を望んでいないことは貴様がアンを避けていることから見ても明らかだ。だが、その原因が童貞にあるというリンの意見はもっともだと私も思う。ここは一つ、渡して童貞を喪失してみるというのはどうだろうか?私も幸い処女だ。しかも『ラスト・バタリオン』は初めての時から男を喜ばせるために快楽に身をゆだねるように作られている。きっと貴様も満足できる童貞喪失が出来るだろう。今からでも遅くはない。今日は私の部屋で寝ろ」


 カウラは平然とかなめをけん制するようにそう言った。


「カウラさん……そう言う問題じゃないと思うんですけど……」


 誠はイノシシの肝のステーキを頬張りながら渋々そうつぶやいた。


「そうです、誠様は『モテない宇宙人』である遼州人なんです。そのようなことを自発的にできない存在であることは私の何度とない夜這いを拒否されていることからも明らかです。ですからあの『女ターミネーター』により誠様が無理やり犯されることで女を知ればすべてが丸く収まるのです。お二人ともその点を何故ご理解いただけないのでしょうか?」


 前菜のサラダを食べながらリンの言う言葉に誠はまったく同意が出来ないどころかツッコミどころが多すぎて言葉が無かった。


「でもアタシは認めねえ!蔵人守はアタシが今でも兼任している検非違使別当と同格の官位だ。アタシは関白だ。だったら、なんで関白であるアタシが欲しがるものを官位の低いあのターミねーちゃんにくれてやる必要があるんだ?気に入らねえ!」


 かなめはそう言うとパンを口に運んでリンをにらみつけた。誠が部屋にいる間もこのまったく不毛な議論が続いていたのだろう。誠はそう考えながら何が入っているのかよくわからない味がするロールキャベツを口に運んだ。

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