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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 新年度の『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第二十章 『社会不適合女』増殖す

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第124話 ターミねーちゃんの意外に少女なところ

「すいません、祥子さん。玄関なんで靴を脱ぎますから降ろしますよ」


 玄関にたどり着いた誠は大柄と呼ぶにしてもさらに大柄な証拠を玄関に立たせた。


「そうか、気が利くな。俺がアメリアから聞いていた話の通りだ」


 そう言う祥子の表情はどこかはかなげで出会った時の戦闘マシンのそれとは明らかに違った無垢な少女のような左目の色に誠は照れながらスニーカーを脱いだ。


 祥子もまた軍用ブーツを脱ぐがその視線は誠から外れることは無かった。


「つまらねえな……お姫様抱っこなんてアタシだってされたことねえぞ」


 不服気に皮のブーツを脱ぐかなめに誠は苦笑いを浮かべた。


「かなめ様。誠様にもできることとできないことはあります。かなめ様の120キロを超える義体は筋トレには向いていますにはお姫様抱っこには向いていません。ちなみに私もかえで様以外にお姫様抱っこをされたことがありませんね。誠様。いつでもお姫様抱っこ練習に私をお使いになっていただいてもいいのですよ?そのお礼として私を好きなだけ堪能していただければこのリンの最上の幸せ」


 どさくさ紛れにとんでもないことを言いだすリンを無視して誠は軍用ブーツを脱いで玄関に上がった証拠を再び抱え上げた。


「俺はいま幸せな時を過ごしていると実感している……俺を幸せにできる。誠、嬉しいだろう?」


 抱え上げるとすぐに祥子はそう言って無邪気な笑みを浮かべていた。


『ああ、この人こんな顔もできるんだ。最初の登場シーンから初めてのアレな発言を聞いてかえでさんを超えるド変態かと思ったけど意外と女の子なんだな……デカいけど』


 誠は祥子に笑顔を返しながらそのまま食堂に入ってその席の一つに祥子を座らせた。

 

 黒いロングコートに長居後ろでまとめられた髪と何より女性では遼州人にはバレーボールの選手の中でも長身を生かしたスーパープレーヤーでしかお目にかかれない長身の女性である祥子は寮生の注目を浴びていた。


 しかも、寮生が『女難』と呼んで嫉妬と侮蔑の視線を浴びせている誠が彼女を連れてきたとなれば必然的に一瞬で寮内に噂は広まったようでいつの間にか黒山の人だかりが食堂に出来上がっていた。


 その様子をいかにも気に入らないという様子で見守るかなめと仕方がないとあきらめ顔のカウラの視線が誠には痛かった。


 上品なスーツの襟を直しながら少し離れた椅子に座って笑いかけるかえでを見て誠は少し安堵したがその安堵した誠の襟をいきなり証拠がその怪力で掴み上げた。


「俺があのような子供だましで満足する女だと思っていたのか?随分と舐められたものだ……幸いここにはギャラリーが多い。俺がお前のものになったということをここに居る皆に証明して見せろ!」


 誠は急変する祥子の態度に戸惑いつつも何をどう証明すればいいのか訊いたら殺されるんだろうという自分の運命を察していた。

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