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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 新年度の『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第二十章 『社会不適合女』増殖す

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第123話 『砲撃系』ターミねーちゃんへの魔法の呪文

「おい!アタシ専用おもちゃと何してんだ!離れろ!」


 あまりの意外な誠の行動に我を忘れていたかなめはそう言って誠の頭を掴んで強引に祥子から引きはがした。祥子の左目は潤みより多くの快楽を求めるような視線を誠に送ってくる。


「あら、かなめちゃん嫉妬?だってかなめちゃんはあの馬鹿将軍とG1 の度にこういうことどころかもっと過激なことをお互いにしてるんでしょ?じゃあ別にいいんじゃないの?女を山ほど抱えた関白殿下……まさに稀代の女好きで知られる豊臣秀吉みたいね。ああ、かなめちゃんの西園寺家の初代の西園寺基も一介のミカン農家の倅から身を起こして甲武の太閤の位にまで達して『今太閤』と呼ばれた人物だから当然だわね……なんなら祥子ちゃんもかなめちゃんのものにすれば?祥子ちゃんは誠ちゃんの物なんでしょ?じゃあ、誠ちゃんの物はかなめちゃんの物ってことで……よかったわね、愛人が増えて」


 完全に脳内腐敗状態のアメリアが楽しそうにそう言った。


「おい、キスだけか?俺がそんな子供だましで……」


 かなめに至福の時間を邪魔された祥子は不満そうに誠を見つめた。


「それじゃあ、寮の食堂までお姫様抱っこ……って祥子さんはサイボーグだからその体格だと150キロくらいありますよね……僕はさすがにその重さだと……」


 誠の知識の中で女性が喜ぶことで今頭に浮かんだのは祥子が望むような性犯罪に至らないことと言えばそれくらいだった。


「ふっ、関白殿下を差し置いてこんなことを言うのは何ですが、俺の義体は最新鋭の素材を使用している。当然、頑丈一点張りの関白殿下の重すぎる軍用義体と同じパワーを持ちながら俺の体格でも80キロまで軽量化することに成功しているんだ。誠。俺がお前のものになったことを寮の馬鹿共に思い知らせてやるにはお姫様抱っこで俺を寮に運んでその一番人の集まるところまで連れていけ。そのぐらいのことは貴様なら出来るとアメリアからは聞いているぞ」


 見上げて誠を見つめる隻眼の女大名。だが、その表情は誠には純朴な少女のそれのように見えた。


「わかりました!」


 笑顔を浮かべた誠は80キロという普通の男性ならとても無理な証拠の長身で引き締まったサイボーグの身体を軽々と抱き上げた。毎日最低20キロのランニングに加え、ウェイトトレーニングやかえで達との白兵法術戦で鍛え上げられた誠には80キロの祥子を寮の食堂まで運ぶことなど造作もないことだった。


 誠の出の中で必死になって自分に湧き上がる歓喜の叫びをあげたい感情を自分の『クールなターミネートキャラ』で押し通すという美学からただ軽い笑顔だけで誠を見つめる祥子。


 誠は祥子を抱えて颯爽と寮の玄関に向かった。千代もまた祥子に合わせた『ターミネートキャラ』の無表情でその後に続く。


「お姫様抱っこで満足だ?さっきは『俺を犯せ!』とか抜かしてた割にはずいぶん純情なんだな」


 呆れたようについていくかなめと笑顔のかえでとリン。そして自分もしてもらったことのないお姫様抱っこに嫉妬の視線を向けるカウラは誠と祥子に続いて寮に入っていった。


「それより、これどうすんのよ……面白いものが見られたけど私ミニガンやその補給弾丸1万発が入ったラックのかたずけなんて聞いてないわよ……ちょっとここは私としても詰めが甘かったわね」


 路上に放置されたM134ミニガンとその毎分2000発の弾を供給するための補給弾の入ったラック、そして白木の棺桶を前にそれを自分一人がかたず蹴ることになる現実を突きつけられたアメリアはため息をついていた。

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