第121話 関白殿下、奥州の覇者を沈める
「おい、陸奥守!」
鋭い口調が誠の背後から響いてきた。それがかなめのものだとすぐにわかる。
「オメエは変態なのは知ってた。アタシも『女王様』として数々の変態のマゾ豚を相手にしてきたがそんな偉そうなマゾ豚は見たことがねえぞ。もう少しマゾ豚らしい態度は取れねえのか?マゾ豚!」
完全に『女王様』モードに入ったかなめがそう言って誠と祥子の間に割って入った。2メートル近い祥子と187cmの誠の間でかなめは見上げるように二人を見ながらそう言った。
「ああ、俺はマゾ豚だが俺にはプライドがある。気高き精神のマゾ豚だ。態度がでかいのが気に食わないか?そんなものは俺がいたぶられて歓喜の声を上げる姿を見ればすべて帳消しになる。アメリアは誠は強い女が遼熟されるという東和流行りのゲームが好きだと言っていた。俺は強い。しかもいかなる時も強い。だからこの犯されるという場面においても強く自信に満ちているだけだ」
全く自分のおかしいところを認める気はないというように祥子は言い放ち鋭い眼光を放つ左目でかなめを見下ろした。
「そのプライドをアタシがずたずたにしてやると言ったらどうする?」
かなめの手に銃が握られているのを見ると祥子はすぐさま黒いコートの下から銃を取り出し銃口をかなめに向けた。しかし、かなめは一切ひるむことなく逆に戦闘狂の笑みを浮かべる。
「オメエ、陸奥守は弟にくれてやったそうじゃねえか。じゃあ、さっきのは取り消しだな……じゃあ蔵人守。アタシが誰かは知ってるな?蔵人守は『殿上会』では中原の間に座ることが許されている。まあ、アタシの座る鏡の間から見たらはるか遠くに小さく見える程度でお話にもなんねえ軽い身分と言うところか?」
あくまでも強気にかなめは祥子にそう言い放った。ただ、かなめの言葉は祥子にはどんな弾丸より効果があったようで祥子のそれまでの強気が作り出した鉄面皮が崩れ、疑問にあふれた目でかなめを見つめる姿が誠からも見えた。
「鏡の間の住人……あそこは四大公家の当主しか座ることの許されない席……これから俺が誠に凌辱の限りを尽くされた後に徹底的に止めを刺してくれるかえでがそこの住人なのは知っているが……もしかして……あなたは藤太姫……関白殿下?」
祥子の左目に驚愕の色が明らかになった段階でかなめは勝負がついたとでもいうように銃をホルスターに素早くしまった。
「そうだ!蔵人守!オメエはその甲武の主である関白のアタシの前で無礼を働いたわけだ!その罪!どうあがなう!それと神前はアタシのおもちゃだ!誰にも使わせねえ!」
勝ち誇った口調でそう言うかなめに誠は心強く感じると同時に自分はあくまで女性用大人のおもちゃという境遇から抜け出せない運命なのだとあきらめの境地に達していた。




