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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 新年度の『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第二十章 『社会不適合女』増殖す

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第117話 権威主義者の『女独眼竜』虐められるのがお好きらしい

「おい、アメリア……本当にあのターミねーちゃんは権威に弱いんだな?」


 防弾装備を完璧に施された大きなリムジンの席でかなめはかえで好みのスパーリングワインのグラスを手にしながらそうつぶやいた。


 いつもの強気な彼女からは考えられない怯えたように頬を引きつらせるかなめにそう聞かれた貧乏性のアメリアは夢中で手にしたレンタルする時のサービスということでついて来た白ワインを手酌で飲むというあまりリムジンの中では見ることができない奇妙な光景を展開してすでにかなり酔っぱらっていた。


「大丈夫だって!茜ちゃんがいればまず間違いなく言うことは聞くんだけど茜ちゃんは寮は汚いし反りの合わないかえでちゃんがオーナーをしているから近づきたくないって言うカラ仕方ないけど……祥子ちゃんは本当にかなめちゃんも驚くほど権力には弱いから。だって、あの馬鹿でツッコミどころ満載の田安中佐の事を『将軍様』とか『公方様』とか言ってその口調からは考えられないような褒め方をするのよ……普通考えられる?大丈夫だって♪かなめちゃんが『関白太政大臣』として秀吉が政宗に接したように偉そうに接すればなんでも言うことを聞いてくれるわよ!」


 明るくそう言うアメリアを見て誠はその言葉を全く信じる気にはならなかった。


 アメリアの仕事とエロゲの企画以外のことで正確な説明をする事がゼロだということは誠は身をもってわかっていた。


 そして今回は相手は人の命を何とも思わない『女独眼竜』伊達祥子が相手である。


 そんな震える誠に隣の席でリムジンでの移動などには慣れ切っていてサービスでついて来た酒には興味を示さないかえではしっかりと誠手を握りしめた。


「大丈夫だよ、誠君。僕がついている。祥子君のことだ。君と僕のおもちゃになりたいと少し彼女らしい不器用さで提案してくるかもしれないが別にそれは彼女の個性だと思って受け止めてあげればいい。彼女は君を傷つける時は君が彼女を無茶苦茶にするのを拒んだ時だけだ。祥子君の望むように辱め、蹂躙し、苛め抜けば彼女もきっとわかってくれる」


 かえでのそんな言葉に誠は目が点になった。


「あのー、そのいつもミニガンを持っていて、しかも『砲撃系』の法術が使える法術師で、そのミニガン一つで飛行戦車の一個中隊を全滅させられる人の要求が『虐めて欲しい』ってどういうことですか?それと虐めないと傷つけるって……その時に使うのはそのミニガンですよね?飛行戦車の250ミリのハニカム装甲を紙のようにぶち抜くミニガンで『傷つける』ってつまりミンチになるってことですよね?」


 かえでの慰めの言葉は誠の恐怖をより増幅しただけだった。


 リムジンはその長さゆえに運転するリンもいつもの近道ではなく正規のルートを走っている。


 誠は寮に着くのがこれほど恐ろしいと思ったことは無かった。

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