第107話 権威となんだかよく分からない行動に走る女
「アメリア……良いことを教えてくれた……アタシは陸軍に居たが、あの『女独眼竜』の滅茶苦茶ぶりは知ってた……あの悪名高い『女独眼竜』を『関白太政大臣』の地位を利用して自分好みのマゾ女に調教する……『女王様』であるアタシにとっては最高の快楽だな……しかもアイツは結構攻めるのもイケるらしいや……最高だぜ……」
かなめはよだれを拭いながら祥子との爛れた性生活を想像して淫靡な笑みを浮かべる。
「西園寺。貴様はやっぱり変態だ。日野以上だ」
諦めたようにカウラはそう言って部屋を出て行こうとした。
「人を変態扱いするんじゃねえ!それにアタシがかえで以上の変態だという言葉は取り消せ!アタシはわいせつ物陳列罪で逮捕されたことも淫行で逮捕されたこともねえ!」
かなめは激しく自分を無視して去っていくカウラの背中にそう叫んだ。
「僕は逮捕はされているが起訴はされていないよ。つまり僕は無罪……それに僕のような美しい身体の持主にはそれを公開する権利と義務があり、僕好みの少女たちには僕の身体でいつか自分にも芽生える快楽がいかなるものかを教える義務が僕にはあるんだ……リン、それじゃあ行こう。姉さんが祥子さんの権威主義を利用して制御可能ならそれほど気に病むことは無いだろうからね」
かえでのとんでもない思考に呆れつつ、誠はリンと顔を見合わせてそのままかえでの後ろに続いた。
その後ろを満面の笑みを浮かべてアメリアが付いてくる。
「あのー、アメリアさん。他にもまたろくでもないこと考えていません?この前も僕をオークションで『女性用アダルトグッズ』として出品しようとしたり……アメリアさんは油断すると何をするか分からないんで」
誠は警戒感を隠さずに糸目をさらに細めるアメリアに向けてそう言った。
こういう目の時のアメリアは何かとんでもないことを誠に仕向けようとしている。
「そんな少なくとも私個人は何も考えて無いわよ。ただ……これから寮に着いたら何が起きるか……それが楽しみなだけよ。きっとものすごく面白いことが起きそうな気がするの!まあ、私はちょっとそのきっかけを与えただけ。全部後は誠ちゃんのアレの女性を引き付ける魅力がすべての歯車を回すことになる……ささ、さっさと着替えて帰りましょう。あんな高級リムジンに一度とは言え乗れるなんて最高の幸せ……ああ、誠ちゃんは鷹司部長の婚姻届にサインと判子を押して市役所に持って行けば乗り放題の身分になれるのよね。でも……そううまくいくのかしら?」
明らかに挑発的なアメリアの言葉。誠はただ、かなめの『関白太政大臣』の官位だけが自分が祥子にミンチにされない唯一の免罪符だと信じて男子更衣室へと足を向けた。




