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ユグラシア冒険記 —幼なじみに連れられて、未知の大陸を冒険することになった件—  作者: ヨダカカツキ
第九章 ランクA国家バドール

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第九十三話 タガロの覚悟

「私は嫌ですよ。腕を切るなんて」

エイナは言った。

そりゃそうだ。


それよりも——果たしてどうやってチップの場所を特定したか、だ。


「チップの入ってる場所は分からないんじゃ?」

俺は聞いた。


「そのはずだ。俺も知らん。今は機能停止してるが、どこかには入ってるはずだが」

アバロンは答えた。


「一体——タガロはどうやって場所を特定したんでしょうね」

エイナが腕を組んだ。


「場所を特定できないと、腕を切るなんてできないよな。

いや、特定できていても——相当の覚悟がないとな」

俺は呟く。


正直——常軌を逸している。

アーカーシャに入るために、腕を切る。

目的は、アーカーシャの仕組みを壊すため。


考えられない。


そこまで——タガロは六帝の制度を呪っていたのだろうか。


「俺がその話を聞いたのは、マテウスからだ。直接聞いてみろ」

アバロンが言った。


「マテウス——六賢マテウス様ですか?世界一のエンジニアと呼ばれている」

エイナが聞いた。


エンジニア?どんな仕事だ?


「そうだ。今はダビデにいる。テクノロジーの権威だからな。大体の情報はあいつのところに入ってくる。お前らが来ているのも把握しているかもな」


「長官、繋いでください」

エイナが言った。


「いやだね。俺はここで開発の続きをやる」

アバロンは子どもみたいに言った。


「……通報しますよ?職を失ってもいいんですか?」

エイナの脅しに、アバロンはため息をついた。


「分かったよ。マテウスのところまで連れてってやる。しかし、あいつも変人だぞ。仕事中だとまともに話にならんぞ」


俺たちは、エアカーでダビデ——あの摩天楼の都市へ向かうことになった。


アバロンの車に、ぴったり着いていく。

街に近づくにつれ、エアカーの数が格段に増える。


目の前や横を、車が飛び交っていく。


「これ、ぶつかったりしないの?」

キセキが聞いた。


「自動制御してますから。そのあたりのシステムを使ってるのも、マテウス様と聞いています」


エイナが答えた。


……どんな仕組みだよ。


俺には想像もつかない。


「端末のなんだっけ、AIみたいのが入ってるってこと?」

キセキが言った。


エイナが目を丸くする。

「その通りです。キセキ、あなたは理解力が高いんですね」


「なるほどー。だから人の操縦がいらないのか」

キセキは納得している。


俺にはさっぱりだ。


「ねえ、何あれ」

メイが空中を指差す。


空の真ん中で——人が音楽をやっている。

え?人が浮いてる?


「ホログラフのアバターですね。最近流行りのバンドです。バドールでは、映像よりホログラフが主流に変わりましたね」


……エイナの説明が、さっぱり分からない。


後で教えてもらおう。


しかし、すごい世界だ。


俺たちの知ってる科学なんて——もはや比較にもならない。


キセキは、すっかり慣れたエイナの端末で色々調べている。


この科学力を支える人物——六賢マテウスとは、どんな人なんだろうか。


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