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ユグラシア冒険記 —幼なじみに連れられて、未知の大陸を冒険することになった件—  作者: ヨダカカツキ
第八章 独立国家リターニア

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第八十九話 バドールと、帝国の科学力と。

「デンガラン。私たちはバドールに向かいますが、一緒に行きませんか」

エイナが淡々と言った。


再び船でユグラシア大陸に戻った。

出発地のゴーストタウン。

キセキとラウルは、ヤンセンと船旅について話している。

メイは剣を振っている。ある意味いつも通り。


デンガランは、憔悴しきった顔で答えた。

「行くわけないだろう。……心身ともに疲れた。次の開発都市が決まるまで休む」


エイナが流したあの音声については、俺たちは特に触れなかった。いや、触れられなかった。

メイですら黙っていた。

一番その手の話に食いつきそうなのに。


まあ……いじるにしても、不憫すぎる。

あんな恥ずかしい過去を曝け出されたら、俺なら発狂する。


その上で、バドールに一緒に行かないかと平然と誘うエイナ。


……相当にぶっ飛んでるな。


「分かっていると思うが──アバロン長官は相当怒っていたから、気をつけろよ」

デンガランはエイナに言った。

「え?なぜ?辞めるって電話で伝えた上で、書類は国土開発庁に送りましたよ。手続き上は問題ないはずです」


「……義理人情の人だぞ?電話で済ませるなんてありえねえって言ってたぞ」

デンガランが言うと、エイナは指を顎に当てた。


「ふむ。それは厄介ですね。バドールについたら、長官に頼ろうと思っていましたから」


「……お前、すごいな。仕事辞めてすぐ、元上司に頼れる神経が羨ましいよ」

デンガランは呆れた顔をしている。

「まあ、いずれにしてもバドールまでは長い。みんな、達者でな」

デンガランは、そう言って手を振った。


俺は、ゆっくり休むように心から祈りながら、手を振った。



「さて、また五人に戻りましたね」

エイナが言った。


途中参加とは思えないくらいパーティを仕切っている。

いや、助かってはいるんだけど。


「バドールに向かうんだろ?またあの車で行くのか?」

俺は、港に止めたワゴン車を見た。


「いえ。バドールにたどり着くには、途中、何百キロも続く砂漠があります。あの車では無理です」

エイナが答える。


「じゃあどうすんだよ。まさか馬車か?」


「いえ。それでは時間がかかりすぎます。もう少し進めば、バドール国の玄関都市があります。そこで移動手段を調達しましょう」


「まさか、今度は砂漠で走れる車とか?」

俺は笑って言った。

もう、何が出てきても驚かない。


「いえ。走りません。飛びます」


「は?飛ぶって……どこを?」


「空をです。エアカー。空飛ぶ車です」


……は?空を飛ぶ?


車ですら卒倒しそうなほど驚いたのに。

今度は空を飛ぶ車。


俺は、祖国、科学大国アルカディアの議長を不憫に思った。


父さん、俺たちの国は、ユグラシアではランクCだぜ。


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