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ユグラシア冒険記 —幼なじみに連れられて、未知の大陸を冒険することになった件—  作者: ヨダカカツキ
第七章 海洋国家シードラ

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第七十四話 戦いの後、それぞれの想い。

それから——しばらく俺たちはそこで茫然としていた。

あまりにも色々なことが起きた。


ガゼリアは、しばらく、自分の手を見つめた後——フューの亡骸の元へ向かった。


両手を合わせると、上半身だけになった亡骸をそっと抱きかかえた。


「エイナ。この辺りに——墓地はあるか」


ガゼリアの意図を察して、エイナは頷く。

「案内します。アラタ、こちらの対応はお願いします」


対応——。俺はハッとなる。

まずは、ボイドだ。


ひどく頭を打ちつけていた。


俺がボイドに近づく前に、キセキがボイドの脈をとっていた。ゆっくり首を振る。


「ダメだ。打ちどころが悪かったみたい」


——死んだ。


この短い時間に、二人も。


「……ボイドも俺が担いでいく。

墓は……分けてやろう」

ガゼリアが、低い声で呟いた。


エイナとガゼリアは、墓地の方へ歩いていく。

いつになく、二人の背中が小さく見える。


直後、ドアが開き、ステラが顔を出した。


「……アラタさん。一体、何があったんですか」


家の前の荒れ具合を見て、眉をひそめる。

無事で良かった。


今度は守れた。


だが。


ボイドは──死んでしまった。

それは、アイネを探す唯一の糸が消えてしまったことを意味する。


「……中で説明するよ。プルークさんは、起きてる?」


俺とキセキは、ステラと共に家に入った。





「そんなことが……。プルーク様から、家から出るなと言われたので、頑なに断りましたが……もしドアを開けていたら、私は——殺されていたかもしれないんですね」

ステラは、俺たちにお茶を出しながら言った。


「……評議会に向けて、きな臭い動きが多数起きている。

油断はするな」

プルークは、咳をしながら言った。


「評議会へは、行かなきゃいけないんですか?」

俺は、プルークに聞いた。


「参加しなければ、選出されない。

——私も最後の仕事として、行くつもりだ」


マジかよ。その状態で?


「……体は、大丈夫なんですか?」

俺が言うと、プルークは笑った。


「大丈夫なわけないさ。——ただ、たとえマルティアで死ぬとしても、評議会は見届けねばならん。

ステラの師としての、務めだ」


「俺たちも行きます。タガロの動きも気になるし……」


話をしていると、エイナとガゼリアが帰ってきた。


「埋めてきた。——ちゃんと、別々の場所にな」

ガゼリアは小さく言った。


「ガゼリアは——フューの知り合いだったのか?」

俺は聞いた。


ガゼリアは、静かに話し始めた。


「フューは……俺と同じ、チグル村の出身だ。

コラル郊外の田舎だ。十歳でバドールに引っ越してから会っていなかったが……変わっていなかったな」

ガゼリアは、自分の手を見つめながら続けた。

「殺すつもりなんてなかった。あの、タガロという少年なら、止められるはずだと思った。

まさか——自らを盾にするとはな」


「戦いである以上、どちらかが死ぬことは想定の範囲内です。彼女も分かっていたはずです」

エイナが言った。


「力加減もできないとは、六帝失格だな。

——俺は赤帝を降りる。コラル国王も辞任するよ」


ガゼリアにとって、相当こたえたようだ。


「ダメだ」

プルークが、体を半身起こして言った。

「ガゼリア。お前は逃げるな。赤帝も国王も、続けろ」


ガゼリアは目を見開く。

「……それが俺の責任ってことか?」


「そうだ。役割を果たす責任もある。私が死んだ後、残された六帝でまともなのはお前と緑帝、ザラミくらいだ。

もしステラが六帝になったとき、支えてやれるのはお前らしかいない。

頼む。続けてくれ」


プルークが、真剣な眼差しで、はっきりと言った。

……まとも?


ガゼリアはまともな方なのか……。

だとすれば——残る他の六帝は、どれだけヤバい奴らなんだろう。


「……分かった。青帝プルークからの頼みとあれば、続けよう。


「ガゼリアも、俺たちと一緒に行かないか?」

俺は言った。

もしガゼリアが来てくれれば、戦力的にも心強い。


「一度国に帰ろうと思う。コラルの国内も心配だ。

……アラタ。勝負の約束はしばらくお預けでいい。

すべてが片付いたら、また会おう」


ガゼリアの依頼に、俺は頷いた。


「ガゼリアがいなかったら──危なかった。

来てくれて、ありがとう。

──絶対、約束は守るよ」


俺たちが話していると、メイとラウルが帰ってきた。


「ただいまー!……ってあんたたち、なんでそんなになっているのよ」

メイは、俺たちを見ると驚いた顔をした。


俺たちは先ほどの戦いで服は破れ、顔は土埃にまみれていた。

そんなことも気づかないほど、あまりに多くの出来事が起きていた。


タガロは、一体どこへ向かったのだろうか。


評議会で何も起きないといいが……。


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