↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユグラシア冒険記 —幼なじみに連れられて、未知の大陸を冒険することになった件—  作者: ヨダカカツキ
第六章 コラル国、そしてウィザル国

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
59/127

第五十九話 剣王と、その息子と。

「ねえ、本当にこの道で合ってるの?」

メイが呟く。


「あのレイサスっていう王様の言ってる通りに来てるぜ。

俺は方角は間違えねえよ。船乗りなめるなよ」

ラウルが答える。


まぁ、それはそうなのだろう。

メイもそこは疑っていない。

しかし、それにしても遠い。


かれこれ一時間は歩いている。


最近、車で移動してばかりで体が鈍っているのか、メイは少しだけ呼吸が荒くなる。


対して、ラウルは息一つ切らしていない。


——なんなのよ、こいつ。


メイは、呼吸を少しずつ整え、ラウルに悟られないようにした。


最近、ラウルの剣技は恐ろしいほどに上達している。


つい最近まで素人だったとは思えないほどだ。


いくら天才剣士の私が毎日のように相手しているからとは言え——こうも成長が早いと焦る。


ラウルは、この度で数々の活躍を見せている。


船にはじまり、鍵開け、交渉、馬車の操舵。

どれも私にはできないことばかりだ。


アラタやキセキも、すっかり懐いているように見える。


——せめて、剣だけは負けたくない。


このパーティの最年長は——エイナに奪われたんだった。

でも、見た目的には私の方が上だし。


何より——あの子たちのお姉ちゃんは、私なんだから。


メイはそんなことを考えていた。


「おっ。見えたぞ。あれじゃないか?」

ラウルが指をさす。


その先には、木でできた古い家と、井戸が見えた。

周りには、菜園が広がっている。


ちょうど、家から男が出てくるのが見えた。


ラウルが近づいて声をかける。


男が顔を上げた時。


メイはその顔に見覚えがあった。



「……グライス騎兵団長?」


そう。


アルカディアで騎兵団長を務める——グライスと同じ顔をしていた。


しかし、年齢は若い。


私たちより少し上くらいだろうか。


この男が——オラディグ?


「レイサス王からの紹介で来たんだけど、ここはオラディグさんの家で合ってるか?」


ラウルが気さくに話しかける。

この辺りの会話も、私にはできない。


頼りになる反面——羨ましくもある。


男は、井戸の水を汲みながら答えた。


「はい。オラディグは父です。

父に何かご用ですか?」

男は答える。


「あれ?話聞いてない?剣術の修行に来たんだけど」

ラウルが言うと、男は顔を少ししかめた。


「なるほど……父に聞いてみますが、難しいかもしれませんよ」


「え?なんで?凄腕の剣士なんだろ?」


「……父は剣を置きました。今は自給自足の生活を送っています。あなたたちと違って、僕たちは寿命が短いので」


「私たちも、短命種よ」

メイが会話に入る。


知らない人と話すのは得意じゃないけど。

——ラウルに任せてばっかりいられない。


その言葉を聞くと、男は目を輝かせた。


「え?本当ですか?この国ではじめて短命種の人に会ったかもしれない。だとすれば——僕と同世代くらいかな?」


嬉しそうに二人の方に向き直る。


これが——イグラスとの出会いだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。