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ユグラシア冒険記 —幼なじみに連れられて、未知の大陸を冒険することになった件—  作者: ヨダカカツキ
第六章 コラル国、そしてウィザル国

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第五十三話 コラル王ガゼリアと、エイナの無茶振りと。

「着きました。ここがコラルです」

ドラール国ベンドから、更に車を走らせること半日。

国境の壁を超えると、そこは田園風景の広がる街だった。

国境壁で入国チェックがあったが、エイナが身分を名乗ると、そのまま入国できた。


少し検査が緩いような気がしたが、問題ないのだろう。

ブルドアとドラールでの国境で憲兵が言っていた。

不法入国の場合はチップ情報で身元を特定するらしい。

俺たちはチップそのものが存在しない。だからエイナの従者として処理されれば問題ないのだろう。




──エイナが言っていたように、街の科学水準はドラールより下に感じる。


道路は舗装されているが、建物はまばらで、その合間には田園が広がっている

農業大国なのだろうか。


「で、どこに向かうんだ?」

俺は運転席のエイナに聞いた。

俺たちの当面の目的地は式術国家ウィザル。


そのままここを突っ切るわけにはいかないのだろうか。


「……伝えていませんでしたっけ。ガゼリアに会いに行きます」

エイナは深くため息をついた。


「エイナが苦手な六帝だよな。わざわざ会う必要あるのか?」


「式術国家ウィザルは、別途入国許可証が必要なんです。

その許可証を出しているのが……六帝であり、隣国国王であるガゼリアなんです」


なるほど。

つまり、ガゼリアのお墨付きを得られないと、ウィザルは足を踏み入れることさえできないというわけだ。


会わざるを得ない、と言っていたのはそういうことか。


「どうしますか?今日はどこかで休みますか?それとも、このまま王宮に向かいますか」


「──できれば早くデュランのところへたどり着きたい。このままいこう」

俺がそういうと、再びエイナはため息をついた。


「……最初だけは話しますが、そのあとはアラタが相手してくださいね」


そんなに嫌がるって……

一体、どんなやつなんだよ。


車は石造りの王宮に着いた。

どことなく雰囲気がテオロッドに似ている。

未来的な建物ばかりのこの国で、明らかに浮いているが……ガゼリアの趣味なんだろうか。


門番に挨拶すると、すんなり王宮の中に入れた。

さすが十八将。

顔が知られているのだろう。


応接間に行くと、そこには真っ赤な髪のツンツン頭、

見た目は二十代くらいの、背の高い男がいた。


まさか。


「エイナじゃねえか!久しぶりだな!どうした!

やっと俺と戦ってくれるのか!?」


声が大きい。うるさい。


この男が……ガゼリアか。


「戦いません。この方たちとウィザルに向かうので、許可証を出してください」

エイナは距離をとって言った。


しかし、ガゼリアはじりじりとエイナに近づいてくる。


「つれないなぁ。アーカーシャの至宝と呼ばれるお前と戦ってみたいんだよ!なぁ、全式術を駆使してくれよ!」


……暑苦しい。

なるほど、エイナが嫌がったのはこの距離感か。


「私は戦いません。代わりにこの方たちなら」

エイナはそう言って俺とキセキの背中を押した。


「え?いや、俺たち?無理だって。

この人、六帝なんだろ」


俺は突然の無茶振りに変な声を出した。



「ガゼリア。二人一組でもいいですか」

エイナが提案する。


「おお!全く問題ないぞ!なんだこいつらは?

新しい十八将か?」

ガゼリアは目を輝かせている。


こいつも戦闘狂か……。


「そうではないですが、それくらいの力はあるかもしれません。それを確かめにウィザルに行くのです」


エイナはそう言った。


「ほう。それは興味深いな。よし!早速準備しよう!」


ガゼリアは肩を回している。


いや——嫌なんだけど。

この人、火力で国を滅ぼせる人でしょ?

エルデネより更に上だとしたら——もう神話の世界だ。


一発で消炭じゃねえかよ。


こんな所で死ぬわけにはいかない。


「おい、エイナ。俺たちがそんなレベルなわけないだろ」

俺はエイナに言った。


武器を自在に出せるキセキはまだしも、俺は護ることと応援しかできない。


「要は、戦い方次第です。私が策を考えます。

致命傷を受けなければ、私のヒーリングがあるので平気です。……多分」


……〝多分〟が嫌すぎる。


「大丈夫だ!人を殺さないように手加減はできる!俺を信じろ!」


ガゼリアはやる気満々だ。

そして、全く信用できない。


こうして——コラルに到着早々、俺たちは王様と戦うことになった。


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