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ユグラシア冒険記 —幼なじみに連れられて、未知の大陸を冒険することになった件—  作者: ヨダカカツキ
第三章 ブルドア国パルファム市

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第三十話 パルファム出発と、今日の食材と。

「ガリアには、使者を出しておいた。わしの知人がいくと伝えている。

──多少は便宜を計ってもらえるはずだ」


出発に際して、ダゴスが言った。


「ロイスという現在の市長に会え。首都の市長ともなると、ブルドアの国王との面識もある。国境を超える上ではやつの力は必要だろう」


色々と根回しをしてくれているようだ。

やっぱり、本当はいい人な気がする。


「お前ら、色々世話になったな。旅が終わったら、パルファムにも寄ってくれよ。

少しはまともな街にしておくぜ」

ファングが手を挙げた。

肩書は副市長。自分で作ったらしい。

「とりあえず、ダゴスに科学の便利さとやらを証明してもらおうと思ってる。

俺をあんなとこに閉じ込めた償いをきっちりしてもらうぜ」

ファングの言葉に、ダゴスは気まずそうにしているが、なんやかんや連携は上手く行っているようだ。安心する。


「じゃあ、アーカーシャ帝国の秘密を探りにいってくるぜい!じゃあねー」

エルデネはのんきにそう言うと、馬車を走らせた。


ブルドア国の首都ガリアまでは、馬車で二日間くらいかかるらしい。

途中、いくつかの街を通るようだ。

ダゴスからもらったアーカーシャの地図を見ていると、

キセキが呟いた。


「ブルドアの外のことは、何にも書いてないんだね」

そう。

地図に書いてあるのは、ブルドア東端のガリアまで。

それ以東は──真っ白だ。


ダゴスが言った通り、情報がないのだろう。


ブルドアの隣国、ドラールという国がどんな国で、

どんな科学水準なのか。


不安と期待が入り混じった感情が胸をよぎる。


「メイ、今日は野宿になるだろうから、また修行してくれ」

ラウルが言った。


「なに、あんたこの前の戦いで味をしめたの?

殺さないように相手を倒すっていうミッションはクリアしたけど、

いっとくけど剣技はまだまだだからね」


「分かってるよ。だからこそ修行だ。これからまたどんな敵が出てくるか分からないだろう?」


そんな会話をしている。


「……ラウルさんはすごいね」

俺の隣で、アイネが呟いた。

「あんなに頼りになるのに、まだ成長しようとしている」


ラウルを見る目が──少し潤んでいる。


アイネの言う通り、ラウルはすごいやつだと思う。


だが──簡単には同意できない。


俺は小さくうん、そうだね、とだけ言った。


そう。嫉妬だ。これは、嫉妬の感情だ。


自分の小ささが情けなくなる。


俺は──この旅で成長することができているのだろうか。


「私にもできること、ないかな」

アイネが言った。


彼女もまた──何か役に立ちたいと思っている。


俺は──アイネがいてくれるだけでいいだけど。


でもそれを口にしてしまったら、アイネの気持ちを踏みにじることになる。


答えに困っていると、メイが叫んだ。


「エルデネ!止めて!──夕飯見つけた!」


馬車が止まると、メイはラウルと一緒に馬車を飛び出して言った。

森の中に入ってしばらくすると、イノシシを仕留めて帰ってきた。


……たくましい。


獲物を見つける能力も、それを仕留める能力も、一体どこで教わったのか。


メイの住んでいるセブンスロッドは山も多いから、そこでカイ叔父さんにでも教わったのかもしれない。


こうしてその日の食材は決定した。

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